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28日のパリは終日雨が降っていた。体調はかなり良くなったものの、無理はできないので気をつけて生活しなければいけない。激励コメントをくださったみなさん、ありがとうございました。きょうは、イングランド対トンガの内容を書きますので、録画を見る方はご注意を。
昼間、雑誌のインタビューをする仕事があり、ロンドンから来た通訳の人と話したら、ロンドンからパリに向かうユーロスターは、イングランドのジャージをまとったサポーターでいっぱいだったとのこと。夜9時からパルク・デ・プランスで行われたイングランド対トンガの試合は、勝てば決勝トーナメント進出、負ければ帰国という、プールAの大一番だった。試合前の国歌斉唱で、トンガのキャプテン、FLラトゥ、ゲームメイカーのSOホラの目に涙が光る。イングランド選手の表情も鬼気迫るものがあった。
僕はきのうパリにやってきた実況の谷口さんとのコンビで、国際放送センターからこの試合を解説したのだが、トンガは疲れがたまっているはずの4試合目でも躍動していた。SOホラのPGで先制し、イングランドのSOウィルキンソンにPGを返されるも、前半16分には、CTBタイオネがウィルキンソンをかわしながら突進し、その内側に走り込んだCTBフファンガが、一人、二人とタックルをかわしながらインゴールに滑り込むようにトライ。リードを奪った。
しかし、ミスの連鎖が流れを断ち切ってしまう。トライの獲られ方ももったいなかった。自陣深くで反則を犯し、イングランドのPKになった時に、当然、PG狙いと思って選手がインゴール中央に集まってきてしまったのだ。それを見逃すはずもないイングランドは、ウィルキンソンがインゴールに大きくキック、ここにWTBサッキーが走り込んでトライ。31分には、ウィルキンソンのドロップゴールで逆転。前半終了間際には、トンガBKのパスミスを拾って、サッキーが80mの独走トライをあげた。このトライで試合の流れは大きくイングランドに傾いた。
後半もトンガはあきらめずによく食らいついたが、次第にイングランドの選手とのスピードの差が出始めて突き放された。それでも最終スコアは、36-20である。ミスから奪われたトライがなければ、どちらが勝ってもおかしくない大接戦。1999年大会では、10-101で敗れたイングランドにここまで接近した成長ぶりは素晴らしい。個々の能力が高いトンガは、ゲームマネージメントさえうまくできれば、世界のトップ8の国を倒す力を持っていることを証明した。この試合でも、出すべきタッチキックが出なかったり、簡単な反則を犯したり、自らイングランドへボールを渡してしまうミスが多かった。
逆にイングランドは、雨の悪コンディションもあって、キックとFWのモールで敵陣にボールを運ぶ手堅い戦い方を続け、ラック、モールで激しい肉弾戦でトンガを苦しめた。そして、なんといってもウィルキンソンである。激しいタックル、懸命のキックチェイス、体を張ったラックでのボール出しと、エネルギッシュに動き回っていた。終わってみれば、2ドロップゴール、2PG、2Gと、一人で16点である。いくつか外れたキックもあったが、それが問題にならないプレーぶりだった。

この結果、イングランドはプールAを2位で通過。10月6日、マルセイユでの準々決勝でオーストラリアと戦うことが決まった。トンガは3位が確定。2011年W杯の出場権を確保して今大会を終えた。試合後、一次リーグを終えた選手達には、フランス大会の記念メダルが贈られた(日本代表もカナダ戦のあとにメダルを授与されている)。トンガの健闘に心より拍手を贈りたい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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