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木曜日は、午前中、東芝ブレイブルーパスのフランカー渡邉泰憲選手の取材に行ってきた。5月25日に発売されるラグビーマガジン7月号に掲載されるインタビューである。朝早かったので通勤ラッシュにぶつかり、久しぶりに身動きがとれない車内を経験した。
渡邉選手は府中には住んでいないので、朝は通勤ラッシュの電車で府中まで通っているようだ。カーワンジャパンのスタートから厳しい練習が続き、クラシック・オールブラックス(CAB)戦の大一番が終わって、30名のメンバー入り。束の間の休息で、ほっとした表情を見せていた。
CAB戦は「これで代表は最後」という気持ちで戦ったのだという。だからこそのパフォーマンスだったのかもしれないが、CABの選手達を困惑させたしつこいボールへの絡みはほんとうに頼もしかった。6月で33歳になるベテラン選手だが、プレーぶりは円熟味を増している。取材前に東芝の瀬川監督と言葉をかわす機会があったのだが、「彼の後の選手を育てないといけないのですが、なかなかいませんね」と言っていた。192㎝の長身の上に器用でスピードがあり、激しいコンタクトも厭わない。しかも、ゲームをよく理解している。こんな選手はそうは出てこない。
「マーシュが入ってくれて良かったですよ。僕、最年長だったのに、これで2番になったから」(渡邉選手)。渡邉選手は日体大では、箕内拓郎キャプテンの兄・佳之さんと同期で、高校ジャパンでもともにプレーした間柄。佳之さんから「拓郎を頼む」と言われ、今や拓郎選手とも大の仲良し。キャプテンを精神的に支える存在でもある。その経験を若手にどんどん伝えてほしいと思う。
ちなみに、渡邉選手は中学時代はサッカーをしていた。「キーパーだったんですよ。身長190㎝以上あって、相手と身体をぶつけるのを怖がらない、続けていたらけっこういいキーパーになっていたかもしれませんよ」とは、本人の弁。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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