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たった三泊だったが、ブリストル最後の朝だ。これはテンプルミーズ駅。ここからカーディフ行きの列車が出ている。
2007年のシックスネイションズが終わった。結果を書きますので、まだ知りたくない方は気をつけてください。

土曜日の正午、ブリストルからカーディフ行きの列車を待つホーム。キックオフまで5時間以上あるのに人が多くて驚いた。カーディフのパブでビールを飲みながら、イタリア対アイルランド、フランス対スコットランドを観て、本番に臨むという感じなのだろう。

カーディフの駅を降りると、すでに人があふれていて、スタジアムに向かう道にはこんな応援グッズのお店がたくさん出ていた。
競技場ではプレスルームで前の試合を観ていたのだが、シックスネイションズを取材するプレスの多さに驚いた。かつてのウエールズ代表の名選手たちも顔を揃えている。伝説のSOフィル・ベネット、SHロバート・ジョーンズなどなど。最終週になって、アイルランド、フランス、イングランドが3勝1敗で並び、全チームが勝利した場合は全試合の得失点差で優勝が決まるという状況だったから、みんなテレビに釘付けだった。
まずはアイルランドがイタリアを圧倒。27点差をつけて勝利する。ただ、最後にイタリアがトライをあげた瞬間のアイルランドの選手達の表情が印象的だった。この得点差だとフランスに逆転されるおそれを抱いたということだろう。
この結果、フランスとアイルランドの得失点差の合計は23点差になり、フランスがスコットランドにそれ以上の差をつけて勝てばアイルランドが脱落するという状況になった。フランスが優位に試合を進めているところで、我々はウエールズ対イングランド戦に備えて放送席へ。こちらはスタンド裏の通路。ビールを飲みつつ盛り上がる人々をかき分けて、放送ブースに向かった。

放送開始直前にフランスが最後のトライで27点差勝利の報が入る。この時点でイングランド優勝の可能性はすでにしぼんでいる。フランスとの得失点差は、56点差あり、これ以上の差をつけてウエールズに勝利するのはあまりに高いハードルだった。こちらは、キックオフの30分前。イングランドがウォーミングアップする横では合唱隊のコンクールが行われていた。このあと、客席は一気に満員に。

優勝争いとは別に、ウエールズの人たちにとって、イングランドをカーディフで迎え撃つというのは特別な思いがある。今大会のウエールズはここまで全敗だったこともあって観客の声援は凄まじかった。雨の予報で屋根が閉められていたためよけいに反響する。隣で話している人の声すら聞こえないほどだ。国歌ランド・オブ・マイ・ファーザーズの大合唱には圧倒された。
試合のほうは、ウエールズSOフックが、イングランドSOフラッドのキックをチャージしてそのまま先制トライ。7万人以上の大観衆の割れんばかりの歓声でウエールズが勢いに乗る。互いにボールを素速くワイドに動かして面白かったのだが、特にウエールズのバックスラインが、セットプレーのたびに並び方を変化させているのが興味深かった。ガレス・トーマスとトム・シャンクリンの両CTBが近づいだり、縦に並んだり、この2人の強さがイングランド防御にプレッシャーをかけていた。小さなWTBシェーン・ウィリアムスは俊敏な動きでディフェンスの崩し役。試合終了間際、27-18とリードしてからのウエールズのディフェンスは今季最高の出来だった気がする。いい試合だった。ウエールズの会見。左から、キャプテンのガレス・トーマス、コーチのガレス・ジェンキンス、この日のマン・オブ・ザ・マッチ、SOジェームズ・フック。

我々は、JSPORTSの生中継で実況解説だったのだが、回線障害で日本に声が届かない時間があったようだ。僕ら実況解説陣も自分の耳に声が入ってこなくなるなど混乱した。視聴者のみなさんには、ご迷惑をおかけしました。
9月のワールドカップでは、日本代表はミレニアムスタジアムでウエールズ代表と戦う。ホームチームへの凄まじい声援の中で力を出し切るには、しっかりとした地力をつけなければいけないことを痛感した。ウエールズの俊敏な動きを見て、ほんの少しでもタックルで受け身になれば一気に突き放される怖さも感じた。
シックスネイションズは、フランスの優勝。アイルランドは、僅かな得失点差で22年ぶりの優勝を逃した。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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