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8日は、秩父宮ラグビー場にいた。トップリーグ第12節を取材するためだ。第1試合は、トップリーグ残留に燃える日本IBMが力を振り絞っていた。SO坂元が再三クボタ防御を切り裂いて突進する。前半を終えて、12-0とリード。しかし、後半はクボタが巻き返し、終了間際にはFBマクイナリが、SO伊藤のパントをインゴールで押さえ、伊藤がコンバージョンを決めて引き分けた。IBMはなんとか4トライをあげて、勝ち点「3」を獲得。計12点として、自動降格脱出を最終戦にかけることになった。
トップ4の座を巡る第2試合はさらに凄まじかった。神戸製鋼がCTB大畑のトライで先制すれば、NECもブレイクダウンの力強さで対抗し、拮抗した展開に。前半終了間際のNECのモールを耐えた神戸製鋼の粘りは見事だった。後半も一進一退の攻防が続いたが、NECがラインアウトからのドライビングモールやFLマーシュらのボールへのからみで次第に優位に立ち、後半28分、32分にトライをたたみかけ、逃げ切った。それでも、最後の神戸製鋼の攻撃は見応えがあった。ふらふらになりながら勝利を目指す姿には胸を打たれた人が多かったはず。敗れはしたが、4トライ以上と、7点差以内の負けに与えられるボーナス点をゲットし、最終節に望みをつないだ。
試合後の記者会見は対照的だった。負けた神戸製鋼の増保監督が、「残念な結果だが、あきらめずに次も頑張る」と力強く語ったのに対して、勝者のNECの会見は沈みがち。ゲームキャプテンのCTB向山は「ゲーム前はトップ4に残る可能性があったので、やれることはやろうと言って試合に臨みました。目標通り、5ポイントはとれましたが、あと1試合でシーズンを終えることになり、複雑な心境です」と、視線を落とした。トヨタ自動車と三洋電機が勝利したため、残り1試合に勝ち点「5」を獲得したとしても、トップ4入りができなくなったのである。
他会場の結果は以下の通り。ワールドの自動降格が確定してしまった。10位コカ・コーラ、11位リコー、12位セコム、13位日本IBMが最終節に生き残りをかける。トップ4争いは、3位と4位の座を巡り、三洋電機、トヨタ自動車、ヤマハ発動機、神戸製鋼がしのぎをけずる。
◆トップリーグ第12節結果(1月8日)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ○46-10●ワールド ファイティングブル(前半27-10)
コカ・コーラウエストレッドスパークス●14-29○セコムラガッツ(前半7-22)
リコーブラックラズム●27-34○三洋電機ワイルドナイツ(前半24-20)
日本IBMビッグブルー△27-27△クボタスピアーズ(前半12-0)
NECグリーンロケッツ○27-24●神戸製鋼コベルコスティーラーズ(前半8-12)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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