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27日、第86回全国高校大会が東大阪市の花園ラグビー場で開幕した。僕は開会式からJSPORTSで解説をさせてもらったのだが、今年の開会式は各校が入場行進に出てくるタイミングを早めていたために、いつもより時間が短かった。この写真は放送席からの眺め。モニターに映っている選手宣誓は、日川高校の中山貴仁選手。前日まで体調を崩していたようだが立派な宣誓だった。「〜ラグビーを通してたくさんの人に出会ったことを誇りに思い〜」。毎年感じるけど、すらすらとよどみなく、なんでこんなに上手に話せるのだろうと感心する。仲間や両親など、周囲の方々への感謝を述べるのも恒例になった。
初日は、1回戦8試合が行われた。注目カードの古豪対決、天理対盛岡工は、天理が19-5で勝利。盛岡工はスクラムを押し込みながらそれをスコアに結びつけられず、天理のつなぎの上手さに敗れた。盛岡工にとっては、試合直前にHO、SOという軸になる選手が体調を崩すハプニングがあり、難しい試合になってしまった。
僕は八幡工対中標津の試合を解説したのだけど、立ち上がり、中標津のエンジンがかからないうちに八幡工が2トライを奪い、その後も、モールで優位に立ち、キックでうまく陣地をとりながら41-12で快勝した。中標津は、個々には力強い突進を見せながら、反則やミスでチャンスをつぶしていた。HOの加藤キャプテンは「普段の練習で厳しくしていないから基礎がしっかり固められずミスが起きた。後輩達には練習から厳しさを求めてほしい」と語った。中標津にとっては、立ち上がり、まだ緊張感がとれないうちにスコアされた感じで、選手達も何がなんだか分からなかったのではないか。大舞台でのプレーの入りというのは難しいものだと思うけど、そこに経験値が出るのだろう。4年連続出場と、4年ぶり出場の差はあったかもしれない。
実力を見せつけたのは、125得点した四日市農芸。高校日本代表の坂井(CTB)は力強くスピードもある。他の選手も鍛え上げられた身体をしており、2回戦でのシード校・仙台育英への挑戦が楽しみになってきた。このほか、名護、江の川、流経大柏も安定した戦いぶり。徳島の城東は岡谷工を破り、報徳学園は青森北との引き分け抽選の末、2回戦に進出した。
初日は、途中で雨が落ちてくる時間もあったが、マフラーも手袋も不要なほど暖かかった。明日からはもう少し冷えるかな。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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