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日曜日も花園だった。そして、関西2校のベスト4進出に立ち会うことができた。関西の大学でプレーしていた者として、関東勢の壁を破って国立競技場へ進出することの大変さは身にしみている。選手達の健闘を称えたい。大体大の坂田監督は、記者会見で「関西の高校生達に、関西にもこんなチームがあるという刺激を与えられたのではないか」と語っていたが、関西の大学ラグビー関係者にとっては、関西の高校生が地元に残ってくれるきっかけになればという思いが強いだろう。
試合前は例によって、大体大の選手達が拍手で京産大を送り出し、京産大も第2試合の大体大を拍手で送り出した。京産大の小西キャプテンと大体大の平瀬キャプテンは、東海大仰星高校時代のチームメイトで、小西がFWリーダー、平瀬がBKリーダーを務めたいたという。「両チームで国立に行こうという夢が叶って嬉しいです」(平瀬)。
京産大のベスト4進出は大畑大介選手がいた時以来9年ぶり。大体大は、高橋一彰選手がいた時以来17年ぶりである。ともに当時は後に日本代表の軸になる選手がいたわけだが、今回の両大学は無名選手達の奮闘が際だっていた。ともに全国高校大会で花園出場すらしていない選手が多い。そこが勝利の価値をより高めていた気がする。
僕は京産大と法大の試合をJSPORTSで解説したのだが、ミスが少なく、互いに持ち味を出し合う好試合だった。京産大はラインアウトを完全に確保したほか、長江、後藤、山下のフロントローを軸にスクラムで法大を圧倒。SH田中、FL橋本を軸にショートサイドをしつこく攻めた。タックルされながらのパスも巧みで、コーチングの良さを感じた。最後に控えスタートの小西キャプテンがダメ押しトライしたのも、チームの結束力だろう。
法大も、SH成田の素速い仕掛け、SO文字のロングパス、WTB西條の俊足など随所に素晴らしいプレーを披露して食らいついたが、FW戦での劣勢を跳ね返すことは出来なかった。それでも、両チーム無駄なミスもなく、法大のコンバージョンが決まらなかったのが悔やまれるくらいで、引き締まった試合だった。
第2試合の大体大と明大は互いにミスが目立ったものの、FW真っ向勝負の堂々たる戦いだった。立ち上がりに明大はスクラムを猛然と押し込み、N08杉本が先制トライをあげて好スタートを切ったが、大体大もSH金の走りからWTB平野がトライを奪って同点。以降は、明大のFWがプレッシャーをかけ、これを大体大がしのぐ展開が続いた。14-14の同点で迎えた後半は、大体大の両FL板垣、濱里らが低いタックルを連発。CTB平瀬を軸にしたBKラインの防御もよく機能して次第に流れをつかんだ。明大はFWの優位性を生かすことが出来ず終いだった。
関西の大学が2校、国立に進出したのは13年ぶり。大体大と京産大の組み合わせは初。
◎大学選手権2回戦結果(24日)
関東学院大学○29-10●東海大学(前半10-3)
慶應義塾大学●22-33 ○早稲田大学(前半5-28)
京都産業大学○36-28 ●法政大学(前半19-15)
大阪体育大学○28-14 ●明治大学(前半14-14)
準決勝は1月2日、関東学院大学対大阪体育大学、早稲田大学対京都産業大学の順で行われます。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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