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ラグビー コラム 2006年9月30日

トップリーグ4節結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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土曜日は花園ラグビー場にいた。トップリーグ第4節の2試合が行われたのだが、ともに見応えのある好ゲームだった。第1試合のヤマハ発動機ジュビロ対日本IBMビッグブルー戦は午後1時キックオフ。強い日差しの中、前半はヤマハが優位に試合を進めた。開始5分、モールで前進したポイントから左オープンに展開して、FBレーニーがディフェンダーをずらし、WTB辻井のトライを演出。このあとも再三、オープン展開で大きなゲインを勝ち取った。

ただし、ヤマハにとっては大きな痛手が。試合開始直後、FWの要であるキャプテンのNO8木曽が密集戦で顔を強打し、16分までプレーしたが、眼底骨折の疑いで退場するアクシデントがあった。リーダーを失ったヤマハは、それでも前半を17-7とリードしたが、後半はじりじりとIBMが差を詰める。13分、IBMの猛攻を懸命に食い止めていたヤマハはSO大田尾がプロフェッショナル・ファウルでシンビン(10分間の一時退場)。流れはIBMに大きく傾き、23分にはSO加瀬のトライで20-17の3点差。続くFB高のPGで同点となる。後半40分、ヤマハはNO8フェヌキタウが大西、三角とつながったパスを受けてトライ。なんとか勝利をものにしたかに思われた。

しかし、IBMは最後のチャンスにかけて自陣から攻め、フィールド中央のラックから、SO加瀬が縦に走り込んでサイドを突破。50mの独走トライで同点に追いついた。最終スコアは27-27。IBMの粘りは見事だった。ヤマハは、前半の好機に突き放せなかったことが最後まで響いた気がする。引き分けの場合は、両者に勝ち点「2」が与えられる。両者とも、勝てなかったけど負けなかった。この2点が、今後の順位争いにどう響くか?

第2試合は、神戸製鋼コベルコスティーラーズ対福岡サニックス・ブルース。こちらは、サニックスの果敢な攻撃が試合を大いに盛り上げた。「神戸製鋼はラインアウトなどセットプレーからの攻撃が上手い。できるだけ、相手ボールのセットプレーにならないようにしたい」。藤井監督の言葉通り、サニックスは安易にタッチに蹴り出さず、敵陣に神戸製鋼を封じ込めて連続攻撃をしかけた。前半の神戸製鋼のラインアウトが3回しかなかったことを見れば、作戦は成功していた。

しかし、神戸製鋼はそのわずかなチャンスをトライに結びつける。前半20分、SH後藤がゴール前のPKからの速攻でトライ。25分には、自陣22mラインのスクラムから展開して、FB八ツ橋がライン参加から大きくゲイン。最後はNO8クリブがトライして逆転に成功。サニックスもNO8ミュアがスクラムサイドを抜け出してLO伊達につなぐトライなどで追撃したが、後半は陣地的にも神戸製鋼が優位に戦って点差を広げた。

「サニックスが予想以上にチームができていて苦戦しました。スペースにボールを動かすラグビーがしたかった。まだクオリティーを上げる必要がありますが、選手の積極性は評価したい」と増保監督。3節までに比べてライン全体が前に出るようになり、相手のいないスペースにボールを動かすプレーができはじめたことには手応えを感じているようだった。怪我から復帰のHO松原、CTB元木もともにトライをあげるなど、チームを引っ張った。途中出場の伊藤剛臣の気迫は凄まじかった。勝負を決定づける突破を見せたが、脳しんとうで退場。退場後、意識ははっきりしていたようだが検査のため病院に向かった。

一方のサニックスも、防御を完全に崩してボールをつなぐシーンが多く、昨季にくらべて攻撃力は格段にアップしている。勝利をつかむ攻撃選択などに、やや雑な面はあったが、きょうのような試合を続ければ、上位チームに勝利する試合も出てくるはず。今季のトップリーグは上位陣も大事な場面でミスや反則があれば勝敗はひっくり返る実力差である。今後も何が起きるかは分からない。

トップリーグ第4節(9月30日)の結果
NECグリーンロケッツ○33-17●リコーブラックラムズ(前半21-7)
セコムラガッツ●17-45○東芝ブレイブルーパス(前半3-12)
クボタスピアーズ●25-55○サントリーサンゴリアス(前半11-29)
三洋電機ワイルドナイツ○53-7●ワールドファイティングブル(前半41-0)
ヤマハ発動機ジュビロ△27-27△日本IBMビッグブルー(前半17-7)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ○41-22●福岡サニックスブルース(前半19-17)

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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