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日曜日に行われたオーストラリア代表対イングランド代表の試合をようやく録画で見ることができた。結果を知っての観戦だが、ともに課題を克服しようとする姿勢がいい。オーストラリアは、FWの強さを取り戻そうとしているし、イングランドもボールをできるかぎり動かそうとしていた。イングランドWTBバーンデルのランニングスキルの高さは今後も注目である。グレーガンがインゴールでのタックルでボールをグラウンディングさせなかった場面は圧巻。後半、ラスボーンの大幅ゲインからのトライも見事。オーストラリアはフロントローを一気に若返らせた。初キャップの巨漢PRロドニー・ブレイクもいいデビュー戦になった。最終的には、34-3でオーストラリアが勝った。
両チームともディフェンス面では本当によく前に出る。今流行のラッシュアップである。日本代表に照らして言えば、このプレッシャーのかけあいのなかで、ボールをつながなければ世界のトップ10に入ることはできない。日本代表がアジア予選を1位通過すれば、オーストラリア代表とも戦わなければいけないのだ。この相手に勝つ、あるいは拮抗した勝負をするために、日本代表はいかに戦うのか、そこから考えなければいけないし、そうあってほしいと思う。
本日、日本代表はNZへ出発した。ここにきて浅野良太選手がイタリア戦の負傷(左手の指)によって遠征に参加できなくなり、三洋電機ワイルドナイツのフィリップ・オライリー選手が加入することになった。オライリー選手は、昨春の不祥事以降、代表活動から一年間の謹慎処分を受けており、今年の代表スコッドにも入っていなかったが、一年が経過したことと浅野選手の負傷により急遽参戦ということになったようだ。
箕内、大畑、浅野とリーダー格の選手が次々に戦線離脱している今回のNZ遠征は、相当な危機感を持って臨まなければならない。2004年の欧州遠征の際、スコットランドに100点を奪われて敗れたことは、明らかにW杯招致活動にはマイナスに働いた。若手を試しているなどということはテストマッチでは言い訳にはならない。大敗した時点で国際的評価は地に堕ちる。今回も同じようなことが起きれば、パシフィックファイブネイションズに日本が参加していることにすら疑問符が付くし、2015年のW杯招致などと言っていられなくなる。たとえ敗れるにしても、僅差で食らいつき、評価されるに値するチームでいなければ。選手たちの頑張りだけでは限界がある。コーチ陣が選手が力を出し切れる方向に導いてほしい。
僕もサモア戦とジュニア・オールブラックス戦は現地で見てこようと思う。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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