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ラグビー コラム 2006年6月11日

イタリア代表戦結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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トンガ戦に続く日本代表の完敗だった。ただし、内容はかなり違っていた。大半の時間、ボールを支配されたにもかかわらず、粘り強くタックルしてトライを防ぐシーンも多かった。恥ずかしい試合はできないという選手の気持ちは伝わった。スクラムも劣勢が多かったが、組み方は日本流に改善されていた。しかし、点が取れなくては勝つことはできない。スクラムの劣勢が響いて攻撃面では前に出ることができず、ボール確保が精一杯で気がつけば攻める人数が足りなくなるシーンは多々あった。ディフェンスのいないスペースを日本が突こうとした瞬間には、イタリア防御網がスペースを消している。イタリアの防御の反応の良さは、それがシックスネイションズ(北半球6か国対抗)のスタンダードだということなのだろう。そして、イタリアが繰り出す防御背後へのパントに翻弄されて、7トライを奪われた。

エリサルドHCは「トンガ戦は力が出し切れなかったが、きょうは選手は力を出した」と選手を評価した。確かに単純なタックルミスは少なかったし、気持ちが切れなかったことも評価されていいと思うが、攻撃面の整備を急がないとただ粘る試合が続くことになってしまう。FWの劣勢を覆す根本の強化は進められるべきだが、現状の劣勢の中でスコアする攻撃も磨いてもらいたい。ちょっと言葉少なになってしまいましたが、24日発売のラグマガ8月号にマッチレポート書きます。来週はサモア、再来週はジュニア・オールブラックスが相手だ。まずは勝利を目指して拮抗した時間を長くしたい。相手を慌てさせるようなシーンを作ることこそ、いい経験になるはずだ。

試合結果◆6月11日 秩父宮ラグビー場 第2試合
イタリア代表○52-6●日本代表(前半24-3)

同日11時半からは、U23の日本選抜(YAMATO)と外国人選抜(SOUL)が行われたのだが、こちらは気楽に見たこともあったのだけど楽しかった。SOULは、試合前にNZ流のハカを披露。CTBテビタ(山梨学院大学 U18NZ代表)がパワフルなプレーで目立っていたほか、WTBクリスチャン(埼玉工業大学)は相変わらずの突破力を見せつけ、SOアンダーソン(流通経済大学)も巧みにゲームを動かした。YAMATOは、SH吉田の突破をサポートして先制トライをあげたFB有賀が攻守に安定したプレーを見せ、キャプテンのFL佐々木の仕事量の多さも際立っていた。外国人選抜とはいえ、日本でプレーを続ける以上、日本代表の候補でもあるし、非常に楽しみな選手が多いと感じた。

試合結果◆6月11日 秩父宮ラグビー場 第1試合
U23日本選抜△17-17△U23外国人選抜

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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