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雨が降ったりやんだりの昨日とはうってかわって、きょうのグローバルアリーナは快晴。ただし、風は強かった。この写真は、グローバルスタジアムで朝11時からキックオフされた第一試合のマリストカレッジ対リセベルビューハイスクール戦直前。マリストカレッジのジャージーは、まるでワラタスのようのだが、学校はキャンベラにあり、ブルーがスクールカラーなのだとか。オーストラリアのチームらしいシステマティックな攻撃でリセベルビューハイスクールを退けた。

こちらはメインスタジアムから見たトラック&フィールド・グラウンド。この大会は、単独チームでの参加というのが特徴なのだけど、それぞれのお国柄は出るもので、そこが面白い。ウォーミングアップひとつとっても、フランスはガツガツと体をぶつけながら気持ちを高めていくのに対して、オーストラリアはスキル中心のアップである。試合のほうも国代表の特色通り。南アフリカのモニュメントハイスクールのパワフルな突進は、スプリングボクスみたいだし、NZのクライストチャーチボーイズハイスクールはスキルフルだ。
大会2日目は、海外のチーム同士、日本のチーム同士の対戦になったのだが、一日でこうも変わるかと思うくらい、パフォーマンスが変化していた。初日はミスが目立ったトンガカレッジはパスミスなくボールをつなぎ、防御背後へのキックも巧みに使うなどアイルランドのクリスチャンブラザーズカレッジを圧倒。マリストカレッジに敗れはしたが、リセベルビューハイスクールもボールを動かせるようになっていた。
劇的な幕切れとなったのが、東福岡対伏見工業。前日の出来からいって東福岡が圧倒的有利と思われたのだが、試合は終始伏見工業ペース。先に先に仕掛けて、東福岡のディフェンスを慌てさせ、風下にたった後半もモールを10m以上押し込むなど、プレッシャーをかけ続け、25分まで18-12とリードした。しかし、試合終了間際に東福岡がロングキックで陣地を挽回すると反撃開始。伏見工業がしつこいタックルで止め続けたが、最後のタッチキックがノータッチになったところから東福岡がカウンターアタック。WTB山下が左中間に飛び込み、SH中村のコンバージョンも決まって19-18。ワンチャンスをものにしての逆転勝利となった。あきらめずに、ボールをつないだ東福岡。ナイスゲーム! 伏見工業は前日に続く終了間際の逆転負け。しかし、チームは2年生も多く、高崎監督も「内容はよくなってきた。選抜大会の準優勝チームにここまでできれば。こういう結果にならないように普段から指導しているつもりなのですが、実感しなければ分かりませんからね」と発展途上のチームに手応えを感じていたようだ。

大阪工大高と大分舞鶴も力のこもった好試合。互いに真っ向勝負を挑んで大分舞鶴が上回った。試合後舞鶴の堀尾監督に話を聞いたが、「関西の上位チームとやりたかった」と、目的を果たした上の勝利で満足げ。いま「強いタックル」に取り組んでいるそうで、全国大会4連覇の啓光学園のタックルを見習って強化の最中なのだとか。たしかに、大阪工大高の突進を何度が激しいタックルでつぶしていた。5月2日は、韓国のペゼハイスクールとの対戦となる。こちらも楽しみだ(写真は大阪工大高に勝った直後の舞鶴の選手達。表情は険しいですが勝ってます)。2日目の結果は以下の通り。NZのクライストチャーチボーイズハイスクールは快勝ながら、キャプテンのHOディクソンが足首を負傷。前日のNO8マヌに続いての主力の戦線離脱でチーム編成が苦しくなってきた。このほか、南アのモニュメントハイスクール、オーストラリアのマリストカレッジ、東海大仰星が順当に勝ち進んでいる。5月2日のCプール1位争いとなる仰星対マリスト戦もいい試合になりそうだ。
◆第2日目の結果
◇Aプール
クライストチャーチボーイズハイスクール(NZ)○22-0●アイヴィーブリッジコミュニティーカレッジ(イングランド)
桐蔭学園○33-15●長崎北
◇Bプール
モニュメントハイスクール(南ア)○43-7●ペゼハイスクール(韓国)
大分舞鶴○19-5●大阪工大高
◇Cプール
マリストカレッジ(オーストラリア)○32-0●リセベルビューハイスクール(フランス)
東海大仰星○36-0●佐賀工業
◇Dプール
トンガカレッジ(トンガ)○24-0●クリスチャンブラザーズカレッジ(アイルランド)
東福岡○19-18●伏見工業
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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