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毎月25日は、「ラグビーマガジン」の発売日、そして今月は年4回の別冊「ラグビークリニック」も同時発売である。
まずはラグマガを読む。僕が構成した岩渕健輔選手のインタビューを再読する。フランスでプレーすることを決めた岩渕選手のラグビー観は面白い。世界のトップ国と実力的に差があるのに、プレーする環境がどんどん良くなる日本ラグビーの問題点を端的に話している。長年苦しんだ膝の状態もいいようだ。頑張って。
リコーブラックラムズを引退する神鳥裕之、堀正幸、石井誠3選手が、ラグビー人生を語る「胸張って」に、しみじみ。タックルマン石塚武生さんは、茨城県の常総学院高校での監督生活スタート。53歳の新米監督の成功を祈る。低迷久しい明治大学のヘッドコーチ藤田剛さんは、スクラムはじめセットプレーでの圧倒を目指す。それでこそメイジだ。
ほかにもたくさん興味深い記事はあるけど、連載「トライライン」で小林深緑郎さんが書いている、新ルールの実験の様子は勉強になる。「ラックで手が使える?」、「モールコラプシング容認?」、世界はどんどん進んでいるぞ。
続いてラグビークリニック。今回のテーマは「イチからはじめよう〜始。」。本格的なラグビー経験のなかった指導者が初心者を育てて強豪チームとなった四日市農芸の物語は、全国の高校生に勇気を与えるはず。福岡高校の森重隆監督のインタビューを読んでいたら涙が出てきた。巻頭インタビューの大久保直弥選手もそうだが、みんな、「あきらめない」という気持ちは共通する。神戸製鋼の後藤翔太選手は、出身の大分ラグビースクールの恩師を訪問。「僕が先生から学んだのは、ラグビーではなく、人間としてどうあるべきか、どう生きるべきかということ」と話す。
今回のクリニックは、季節を考えて、ラグビーをイチからはじめるためのノウハウが満載なのだけど、図らずも人間性の大事さが、いたるところに出てくる。ラグビーっていいね、スポーツって素晴らしいねって感じられる、いい出来だ。
クリニックの巻末には、ラグビー用語集がついている。最近、新しい言葉がどんどん出てきているので、お復習いする意味でも、ぜひご一読を。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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