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いま、スーパー14の南アフリカ対決、チーターズ対ブルズの試合をテレビ観戦しながらこれを書いている。南ア同士の対戦はいつも激しいコンタクトプレーが続出するのだが、この試合もそうだ。同国代表スプリングボクスのプレースタイル同様、激しいタックルで相手のミスを誘い、一気のカウンターアタックを仕掛け合う。面白い。僕はカウンターアタックを見るのが好きである。しかし、新加入のチーターズ、やるなぁ。ブルズのハバナは、ほんと活きがいい。
似た者同士の対戦は、選手の力と戦法の精度が拮抗していると大接戦になるのだが、そこに差があると思わぬ大差になることがある。逆に昔の明治と早稲田のようにプレーの特徴が違っていると、実力差があるように見えて僅差勝負になったりする。早稲田大学の清宮監督が大学4年生の時の日本選手権は早稲田が神戸製鋼に4-58という大差で敗れた。7連覇の2連覇目だったから神戸も強かったのだが、早稲田もなかなかの好チームだった。ただし、神戸製鋼はFWの力強さではなく、ボールを巧みに動かして防御を崩すチームだった。チームスタイルは似ていたと思う。だからこそ差がついたと僕は思っている。つまり、早稲田が勝っている部分が少なかったのである。さて、今回はどうだろう?
土曜日は早稲田大学の上井草グラウンドに練習を見に行ってきた。ギャラリーは300名以上いるように見えた。清宮監督は記者団に囲まれ、東芝の実力を高く評価した後、こう言った。
「トヨタに勝ったことで、我々チームのミッションは、かなりの部分達成できました。しかし、まだラグビーを知っている人にしか伝わっていないような気がします。次は次元の違う喜びに持って行きたい。社会人王者に勝てば、ラグビーを知らない人もラグビーに関心を持ってくれるでしょう」
明日は、CTBでいつもの池上選手に代わって谷口選手が先発出場する。交替出場したトヨタ戦での動きが評価されたようだ。169㎝、74㎏の小さなCTBはラグビー強豪高校ではない川越高校出身。「夢のまた夢」と表現した大舞台で、突き刺さるタックルを連発できるか。
スタジアムは早稲田のサポーターが多くなるはずだが、東芝の強さも近年の社会人ラグビーでは群を抜いている。東芝の廣瀬選手が強さの源は「選手同士の信頼感」と言っていた。
スコアとは別に、内容的にとてもいい試合になると思う。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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