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ラグビー コラム 2005年11月19日

夢を追いかけよう。

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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18日のアクセス数、過去最高です。招致活動を支えたみなさん、改めてお疲れ様です。そして、僕のブログにW杯招致についてのコメントや、TBをくれたみなさん、ありがとうございます。個人的に「お疲れ様メール」をくれたみなさんにも感謝します。僕も、W杯招致HPの取材で、いろんな選手や関係者にW杯への夢を聞いてきました。いい経験でした。招致活動に負けたくらいで、みんなの夢は萎まないです。課題はみんな分かっているし、いつか夢を実現させるために、日本のラグビーを盛り上げていかなきゃならない。愛好家はみんな元気にがんばりましょう!

きのうのブログは、開催地決定直後の会見のあとに書いた。実はそのあともう一度会見があって、それが終わったのは午前3時を過ぎていた。日比野さん、平尾さん、和田さんそれぞれ、サポートしてくれたファンや関係者へ感謝の念を述べた。日本協会副会長の和田さんは「アジアへの普及活動はやっていくし、U19、U21などの世界大会も今後積極的に誘致していきたい」と力強かった。

僕はNZのラグビーが好きだ。ここ8年は、毎年一度は行っている。ラグビーの伝統、文化を大切にする国だから、きっと素晴らしい大会を開催してくれるだろう。商業的に拡大化する一方のラグビーW杯を、NZのような小さな国(人口約400万人)が開催するのは、これが最後のチャンスだと言われていたし、そういう意味でも良かったのかなって思う。おめでとう。

でも、IRBの保守的な体質にはちょっと複雑な気分もある。今回の立候補国のアピール度からいって、収益性とアフリカ大陸への普及を押し出し、U19などの世界大会を開催してきた南アが有利であるはずだし、グローバル化なら日本だ。NZは、主にラグビー文化の深さと、選手のための大会であるというアピール。2003年W杯に立候補しながら、開催できなかった経緯もあった。でも、南アはまっさきに落ちた。新しい世界に一歩踏み出す日本という選択肢も消えた。もちろん、日本の準備とかラグビー文化に不安な面は多かったのだろう。でも、きっとIRB理事達の多くが、NZでやらせてあげたかったんだろう。伝統の壁かぁ。

タクシーで家路につく。いろんな思いが巡った。NZ開催の論法でいくと、2015年は2003年W杯招致合戦で負けたイングランドになるし、2019年は南ア? じゃあ、日本は2023年が次のチャンスなの? おいおい。いやいや、そんなふうに考えちゃダメ…みたいな堂々巡り。

朝4時頃に家にたどりつく。眠る気になれなかった。朝6時過ぎに東京FMに電話でコメントすることになっていたので、以前録画しておいた映画「リアリズムの宿」を見て過ごした。面白かった。普通に笑えたので、僕は元気なんだと実感できた。

東京FMでのコメントは「こうなると、1987年〜2011年までずっとIRB主要8か国のなかで開催地を回すことになるんですよ」と少し恨み節が入ってしまった。

6時半に眠った。昼前に起きて、髪の毛を切りに行った。気分一新である。いつもの散髪屋さんを通り過ぎ、初めての美容院に入った。「カットお願いします」。少なくとも僕は、新しい一歩を踏み出したかったのだ。美容院を出て、ショーウインドに映った自分をまじまじと見る。「なんか、カズっぽい」と思った。僕は元気だ。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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