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11月1日は、日本代表の新ヘッドコーチ(HC)、エリサルドさんの初練習だった。午前中、辰巳の森海浜公園のラグビー場で取材してきた。日差しが強く、ポカポカして気持ちよかった。
練習後記者団の質問に答えるエリサルドHC。ジョークを交えて楽しげに答えていた。たくさん報道陣がいて嬉しそうだったなぁ。練習には、「フランス2」というフランスのテレビ局も取材に来ていた。日本にいる間は、エリサルドHCを追いかけるようだ。
10月31日夜に集まったのは、大畑など怪我による6名の辞退者に代わって追加招集された水野、三宅ら4名を加えた34名の選手達。トップリーグの7節でもっと負傷者が出ると思ったが意外にみんな元気で別メニューでやっていたのは、大久保直弥と真羽闘力の両選手だけだった。こりゃ、22名選ぶのが大変だぁ。
午前10時に始まった練習は、初めての全体練習ながら、ウォーミングアップのあとは、いきなり全員でのアタック&ディフェンス。エリサルドHCが大声を出しながら、ボールの出るタイミングや、ポイントの進み具合によって、臨機応変に対応する攻め方を確認していた。ユニット練習などではなく、いきなり全員を動かす練習をするところがフランスっぽい。
この練習、1時間以上、ほぼノンストップで続いた。
練習後、エリサルドHCを記者団で囲んだが、その中で、彼が言っていたのは、次のようなことだ。①ボールの動かし方、選手の動き方を重点的にやる。②HB団にゲームをコントロールさせる。③スクラムを世界に通用するよう鍛える。
前日夜も、HB団だけを呼んでミーティングを行い、ゲームの進め方を確認したようだ。最初の写真にも少し映っているが、HB団だけは黄色のビブスを着ている。フランス・ラグビーは、ゲームをコントロールする選手としてHB団を重視する。過去のフランス代表にSHのキャプテンが多いわけである。
ボールの動かし方については「すべてのボールに対して一定のスピードではいけない。(モールやラックなどからの)ボールの出方によって違う動きを求める」ということだ。たった4日の練習で、どこまで自分の考えを浸透させられるか分からないが、HB団に重点的に理解させる方向は効率がいいかもしれない。
2日目は、ボール争奪局面を練習するようだ。
◎追記
パススピードへの反応の多さと、携帯電話のドジ話に対する反応の低さに驚いた。もうちょっとドジ話に反応してほしかったよ。
「パスは利き腕によって得意な方向などあるのか」という主旨のコメントありましたが、お察しの通り、右利きは左方向、左利きは右方向へのパスが得意なことが多いです。右利きが多いBKラインでは、左WTBは足の速いトライゲッターで、右WTBは力強いタイプを置くという考え方もあります。要するに、右でポイントを作って、左方向へのロングパスでスピードランナーに走らせるという考え方です。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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