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日曜日の夜にアップしようとして忘れていた写真です。日本対アイルランド戦、キックオフ30分前、どんどん観客のみなさんが入ってくるのをメインスタンドの一番上から見てました。JSPORTSのリハーサル直前、客足が伸びているかどうか見るのは、僕の楽しみの一つです。この時は、きょうは2万人近く行くかな? とワクワクしてました。
月曜日のアクセス数はいつも週間1位なのだが、先週の月曜日は驚くほど多かった。きょうも多かったけど、先週ほどではなかった。たぶん、先週は「こんなんでいいの?」って、疑問符が付く試合で、今週のはある程度ほっとした人が多かったのかなぁ。でも、たくさんのコメントありがとうございます。いろんな意見があったね。「キックが使いにくい雰囲気が、、、」という意見もあったけど、いかに有効に蹴るかが大事かは選手達も分かっていると思う。
第一戦。アイルランドの防御背後へのキックは上手くいったのに、日本のはボールを渡すだけになってしまったのはなぜだろう。それは、アイルランドは前に出ながら仕掛けて蹴るのに、日本はボール保持が苦しくて蹴っているから。つまりプレッシャーをかけながらのキックと、浴びながらのキックの差が歴然としていた。第2テストでは、廣瀬が前に出ながら防御背後にキックを上げたシーンがあった。ああやって相手を前に引き寄せて蹴ることができればチャンスになるんだよね。僕も、「キックが悪なのではない」という意見には同意します。
僕の試合の感想はきのう書いた通りなんだけど、今回のアイルランドには勝ちたかったなぁっていうのが正直なところ。ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは4年に1回しか結成されないから、ホームユニオン(イングランド、スコットランド、ウエールズ、アイルランド)の代表チームが主力抜きで来日するのは4年に一度しかない。しかも、その年にホームユニオンが来てくれるかどうかも分からない。今回も結局、89年のスコットランド以来、16年ぶりになった。その上、この日曜日は野球の試合が少なく、スポーツ紙は紙面のスペースが余っていた。実はラグビーのアピールには、千載一遇のチャンスだったわけだ。
それってね。ほんとは狙うべき試合ってことなんだよね。昔のことを出して申し訳ないけれど、89年のスコットランド来日の時もライオンズの遠征と重なっていた。そして、日本代表監督の宿沢さんは来日のずいぶん前から「勝ちます」と宣言した。当時の実力差からいって、報道陣からは失笑すら漏れるコメントだったが、宿沢さんは大まじめだった。主力抜きのスコットランドなら勝てると踏んだからだ。そして、実際に勝った試合後「お約束通り」と言ったのは、カッコよかった。今回もこれと同じことができる相手だったと思うし、宣言するべきだったと思う。そうすれば、サポーターの期待感も膨らむし、勝つためのプランはもっと詳細に練られただろう。お客さんは、2万人を超えたと思う。
ここで気になるのがIRBの世界ランキングだ。現強化委員会は、3月時点で世界ランキングによって日本の位置を示した。そして、アイルランドには、「勝つ」とは言わず「チャレンジ」という言い方になったわけだ。確かに初めてラグビーを見る人には、ランキングによる説明は分かりやすいし、僕ら報道陣も便利に使わせてもらっている。でも当事者は、自分たちで分析するべきなのではないのか。
たとえば、6月20日現在、アイルランドは7位、日本は16位だ。しかし、僕の18年間の取材の実感でいけば、12名がライオンズに取られたアイルランドは、現在11位のイタリア、12位のサモアには勝てないだろう。ということは、13位のカナダの上あたりの実力だということだ。そして、日本は、14位のウルグアイ、15位のアメリカと同等以上の地力があると見る。ということは、十分勝利を狙える相手だということになる。IRBのランキングは、試合結果で計算されるので、試合数が少なくて強いチームとしかやっていない国には不利。トンガが20位にいることがそれを端的に表している。充実したトンガには、日本も勝つのが難しいからね。
だから、今回のアイルランドは「格上」と言わず、「力は変わらないので勝ちますよ」と言っていいんだと思う。少なくとも当事者は。そうやって、選手の士気を高め、サポーターを盛り上げる。その中で、前半10-14があれば、もっともっと盛り上がっただろう。そういうことがラグビーの注目度を高めるには必要なんだと思う。そこまでやった上で、ギリギリ負けてもサポーターは理解してくれるはずだ。これからの強化委員会には、そうやって日本ラグビーを引っ張っていってもらいたい。頼みますよ、ほんと。
明日は、あるチームの取材に行きますので、情報アップします。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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