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ラグビー コラム 2005年4月21日

ラグビークリニック

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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本日(4月21日)、ラグビークリニック発売。自分の部屋で撮影したからイマイチですが、表紙です。チーム作りは早稲田の清宮監督、キャプテンは東芝府中の冨岡鉄平選手、コーチング哲学で啓光学園の記虎総監督、スクラムは中村直人さん(サントリー)、タックルが難波秀樹選手(トヨタ自動車)。このラインナップ、かなりラグビーファンを刺激してるよね。興味深い話が満載だ。

難波選手のタックル。「相手を倒すだけではダメ。起きあがるまでがタックルと意識づけよう」って、いいこと言ってるなぁ。当たり前のことだけど、これがなかなかできない。僕にも経験あるけど、会心のタックルが決まると、けっこう満足して余韻に浸っている時とかある。そうなると、一人死んでいることになる。つまり、その瞬間は14人で戦っていることになるわけで、とにかく立っていれば何かの役には立つ。だからラグビーは「立って、立って」と言うわけだね。この話は、啓光学園の強さにもつながっている。啓光学園の選手はとにかく、反応がいい。すぐに起きあがって走り出す。その意識の高さは、大学、社会人でもかなわないほどだ。

啓光学園のパスは「人に放るな」と教える。受け手に対して投げると、たいていパスは後方へ行ってしまう。だから、ディフェンダーのいない空間に放る。すると、受け手の選手はどんどんスピードをつけてそこに走り込める。でも、これって両者にスペース感覚が共有されいないと単なるミスになるので、けっこう高度だ。とにかく啓光の教え方は理にかなっている。勝つための理屈がしっかりしていて、選手がそれを理解している。指導者の手腕としか言いようがないよね。

話は変わるが、きのうは、渋谷のパルコ劇場で、Shuffle(シャッフル)という芝居を見た。もちろん、仕事の合間を縫ってね。たまにはこういう息抜きもしなくては。子供の頃好きだった石野真子さんが見たかったんだけど、芝居のリズムも良く、予想以上に面白かった。伊原剛志さん演じる刑事が、犯人を追って高いところから転落し、その後、人の姿と名前の組み合わせがバラバラになるコミカルな話。もっとバタバタしていると思ったけど、バランス良くまとまっていた。ここでも、スポーツでいう監督の手腕を感じた。作・演出の後藤ひろひとさん、やるね。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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