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慶應義塾大学ラグビー部の新監督、松永敏宏さんをインタビューした。松永さんといえば、我々40歳前後の世代には、慶応の名CTB、そしてキャプテンとして有名である。このインタビューは、ラグビーマガジン6月号(4月25日発売)に掲載される。写真はラグマガ提供です。カメラマン高見君ありがと。
松永さんは、大阪の天王寺高校時代に高校日本代表に選出され、1984年度上田昭夫監督率いる慶応大のキャプテンとなり、関東大学対抗戦で全勝優勝。大学選手権決勝戦では、連覇中の同志社大学を6-10と追いつめた闘将である。松永さんから放たれた同点トライへのパスが、スローフォワードと判定された幻のトライは、オールドファンにはあまりにも有名だ。あの微妙な判定がなかったら、同志社のV3は達成されていなかった。
松永さんのインタビューは、CTBとしてのプレー同様、実にきびきびした切れのいいものだった。「今年は、打倒・早稲田、それだけです」などなど、言葉が簡潔で整理されている。おまけに自信にあふれている。これって、W大の監督に感じるのと同じものだ。しかも、慶応の監督では初めてのフルタイムだ。覚悟のほどは、10年勤めた保険会社を辞め、大学の職員になったことに表れている。推測だが、どう考えても収入ダウンである。もっと言うと、監督の任期は2年、内規ではラグビー部の監督は2期までしかできない。つまり、4年後には確実に辞めることになっている。あとのことは考えず、ラグビー部を強くすることだけが使命の監督就任。タイガー軍団は、間違いなく気合いの入ったチームになる。
実は、取材に行った日は、FW勢をつれて大相撲の高砂部屋(朝青龍がいるところだよ)に稽古に出向いていた。僕も見せてもらったのだが、ぶつかり稽古はかなり激しかった。力士の大きさというのは想像を超えている。僕はわりと相撲好きで何度か国技館で本場所を見ているのだが、何度見ても驚く。懸命にぶつかる学生たちも軽く吹っ飛ばされていた。股関節の固さも課題だろう。股割りできないもんね。体が固いのは日本のラグビー選手全般に言えることだけど。こんな試みも松永監督の発案。今後もいろんな話題を提供してくれそうだ。
早稲田と関東学院のマッチレースに、法政、同志社に続いて慶応が待ったをかけるのは面白い。活性化するね。
ちなみに、慶応の日吉のグラウンドも、夏には人工芝になる。人工芝の勢い、恐るべしである。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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