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きのう日記の続きである。しかし、村田亙選手はあと3年ほどで不惑なんだね。そこまでやりそう。ひとつのことをやりきる人は尊敬するし、だんだんかっこよくなるなぁ。さて、本題。三惑対抗に出場していた40歳以上の選手達は、有名、無名さまざまなラグビーマンだが、やはり超一流だった選手は目立つ。よく「モノ(物)が違う」という言い方をするが、そんな感じなのだ。写真は、迷惑に逆転勝利した直後の不惑倶楽部。
九州の迷惑で出場していた山本選手は僕と同学年で、学生時代、東西対抗で同じ西軍のメンバーだった。あの頃、東西対抗は瑞穂で行われており、前座試合で近畿学生選抜対東海学生選抜戦も行われていた。僕も3年は近畿学生だった。4年時は、両方の候補選手を集めてセレクションマッチが行われた。フルバック(FB)候補は、僕の他に、山本(福大→サントリー)、沖土居(福工大→サントリー)、細川(同大→神戸製鋼)たちだった。綾城は怪我で来なかった。ラッキー(笑)。
沖土居は結局WTBで出場。セレクションマッチでたまたま調子が良かった僕が西軍FBで先発することになった。なったはいいが、一緒に練習していて、上記の3人をはじめ代表クラスの選手と自分の「モノが違う」ことを痛感した。すでに僕は出版社への就職が決まっていたが、どんなに頑張っても日本代表になれないことを思い知らされた。端的に言うと、走るときに地面を蹴る力が全然違うのだ。沖土居なんて、ゴム毬みたいだったからね。
僕の実感通り、3人は日本代表になった。沖土居は87年W杯で40mのドロップゴールを決め、来日したオールブラックスから唯一のトライをあげた。山本はスコットランドを破る歴史的メンバーの一人となり、細川は日本代表の名キッカーとして91年W杯に出場し、スコットランドからトライをあげるなど活躍した。この順番なら世界選抜になっていたはずの僕は、そのころ取材者となり、徹夜の連続で体力は一般人以下に衰えていた。もともと大したことなかったってことだ。
何度かNZでクラブの試合も見たが、時折スーパー12クラスの選手が出ていると走るときに地響きがする。そう感じるのだ。足の裏で地面をわしづかみにして走っている感じ。上に行けば行くほど「モノ」レベルも、どんどん上がる。
実は2年前、このスーパー12レベルの「モノ」を感じた選手がいる。早大の今村雄太だ。上井草で練習見て、ビンビン感じた。彼はモノが違う。きっといつか日本代表の力を引き上げる選手になると思う。僕の「モノ・メーター」がそう言っている。
このメーター、けっこう正確ナノダ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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