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脂っこいもの食べたいなあ。写真は大好きな沖縄料理屋さんにて、数日前、あまりに旨かったので写真に撮った「ラフテー」。表題とはまったく関係ないね。
きのう書いたフルバックについて、もう少し加筆したくなった。僕が好きだった綾城選手は、同期で同志社と大体大で戦った仲だ。実は京都の高校時代も対戦していた。といっても、僕は憧れの目で彼を見ていた。綾城選手は、東山高校出身だが、同時まだ全国大会に出場していなかった同高から高校日本代表のSOに選ばれている。当時から、SOからWTBまで一気に飛ばすロングパスを使うなど、技術的には高校生離れしていた。大学、神戸製鋼ではFBの印象が強いが、とにかくフィールド全体が見える選手だった。彼は自分が立つ位置によって、相手SOを牽制する。
たとえば、右タッチライン際に寄って立ち、左オープン側を大きく開けておく。すると相手SOはそこに戦略的なキックを蹴りたくなる。そして、SOがボールを蹴ろうとした刹那、綾城は、左のタッチラインに向かって走るのだ。SOは蹴る瞬間は、絶対にボールを見るので、相手の動きは見えない。そして、蹴ったあと顔を上げると、綾城が落下地点にいるというわけだ。それが、きのうきちんと書きたかったことだった。そういう駆け引きを見せてくれるFBがいなくなったのがちょっと寂しいわけである。
もちろん、上には上がいるので、それを逆手に取るSOもいるし、わざとキャッチしにくいボールを蹴るSHやSOもいる。僕は大学選手権で慶応と試合したことがあるが、慶応のSH生田さんのハイパントのキャッチしにくかったことといったらない。風船みたいに落下してくるので、キャッチするだけで精一杯だった。見ている側はボールを落とすと「下手くそ!」と思うだろうし、それでいいのだが、キックに対するノックオンのほとんどは、キックの軌道が原因である。だから上手い選手でも時々イージーミスをする。風もあるし、回転のかかり方もある、ラグビーボールは空中でも一定の飛び方はしないわけだ。
キャッチしやすいボールだと、やれることはいっぱいある。ハイパントなら、わざと落下地点とずれた場所に立っておいて、キャッチする瞬間に移動する。するとドンピシャのタイミングで走り込んできたディフェンダーのタックルポイントをずらすことができる。これの上手いFBは日本にいっぱいいた。谷藤さんなんかもそうだった。わざわざ狙われる位置で待っていなくても、動きながらキャッチすればいいわけだ。こういうの、こまごま書いてると、永遠に書いてしまいそうだ。
きょうは、これくらいにしてボチボチ出すね。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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