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ラグビー コラム 2005年3月3日

野球人とラグビー人の交錯

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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ブログを始めると林家パー子化するというのは本当だった。あんまり使っていなかったデジカメを毎日持ち歩いている。しかし、きょうは写真は無し。パー子化拒否である。また、たくさんのトラックバックならびにコメントありがとう。

昨夜、2学年上の大体大OB手塚一志さんに会った。手塚さんは、高校野球で名高い池田高校から大阪体育大学に進み、筑波大学大学院、東京大学大学院で運動生理学、運動医学、運動力学を学んだ勉強家の野球人だ。プロ野球のトレーナーなどを経て、現在、三軒茶屋でベースボール道場「上達屋」を開いて、現役プロ選手を含む、野球選手達のパフォーマンス向上の指導にあたっている。

僕は彼の著書「ピッチングの正体」「バッティングの正体」「魔球の正体」「バッティングの極意」(ベースボール・マガジン社刊)の編集をした。これがすべて実用書としては異例のヒットとなっている。手塚さんは、スポーツのパフォーマンスを細部にわたって理屈で語る。文章にも独特の味があって、読む者を惹き付ける。なぜ、イチローはヒットを量産できるのか。なぜ野茂はあれほど速い球を投げられるのか。運動力学を織り交ぜての解説は、ラグビージャーナリストとしても得るものが多い。僕はラグビーのことしか書かないが、編集者としては他のスポーツにもときどき関わる。いろんな知識を得られるし、基本的に本を作るのが好きなのだ。

その手塚さんは、現在、ラグビーの不惑クラブでスタンドオフとしてプレーしている。
「僕ねえ、ラーカムみたいになっているんですよ」
J SPORTSのヘビー視聴者である手塚さんは、オーストラリア代表SOラーカムの動きをイメージして、思いっきり前に出るSOとして、かつて慶応で活躍した権正さんや青井さんを操る司令塔を務めている。

「お前、面白い動きするなぁって言われるんです」
手塚さんは、NECのヤコ・ファンデルヴェストハイゼンの話しになると夢中になった。
「判断力いいですよねえ。日本と世界の差はそこですよねえ。古田が入ったらチームが強くなるみたいなもんですよ」
野球人がラグビーにはまっている。いいね。嬉しいね。

そういえば、先日、同じく大体大の先輩で、セ・リーグの審判をしている渡田さんと会う機会があった。僕はずっと野球部出身だと思っていたのだが、ラグビー部だったと聞いて驚いた。
「えーっ! 直属の先輩だったんですか。すんません!」
なぜか謝っていた。体育会気質は、そう簡単には抜けない。でも、人と会ってラグビーとつながると、とても嬉しくなる。きのうは、気分のいい夜だった。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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