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充実のフィジーは旋風を巻き起こせるか。名将復帰のウェールズは防御と両WTBで活路開く。ラグビーワールドカップ2023、9月10日注目カードプレビュー。
ラグビーレポート by 直江 光信2019年にいったんは退任したものの、後任のウェイン・ピヴァックの成績不振による解任を受け2022年12月にふたたび復帰したウォーレン・ガットランドヘッドコーチ(HC)は、停滞したムードを払拭すべく思い切った決断をした。共同キャプテンに指名したのは、23歳のFLジャック・モーガンと24歳のHOデヴィ・レイク。モーガンは180センチ、102キロと上背こそないものの気迫を前面に押し出したプレーが魅力の闘将タイプで、186センチ、115キロのサイズを有するレイクは、セットプレーの牽引役として期待される。
戦力を見ると、FWはややパンチ力不足だがBKには若く才能あふれるタレントがそろっており、中でもルイス・リース=ザミット(22歳)、リオ・ダイアー(23歳)は世界的フィニッシャーに成長するポテンシャルを秘めた逸材だ。同じWTBには、前回大会のトライ王であるジョシュ・アダムスもいる。8月のイングランド戦のように粘り強いディフェンスで失点を最小限にとどめ、決定力あるアウトサイドBKが少ないチャンスをものにするスタイルを確立できるかが、浮沈の鍵だろう。
一方のフィジーは、イングランド戦勝利の立役者のひとりで、プレーメーカーとして活躍が期待されたSOケイレブ・マンツが大会直前の練習で膝を負傷し離脱。ここにきて司令塔の変更を余儀なくされたのは大きな痛手だ。もっともBKには世界有数のラインブレイカーと評されるCTB/WTBセミ・ランドランドラを筆頭に、キャプテンのCTBワイセア・ナヤザレヴやWTBヴィナヤ・ハンボシら脅威となるランナーがそろっており、布陣が固まれば今大会屈指の破壊力あるラインに仕上がる可能性もある。
キックオフ2日前に発表された試合登録メンバーを見ると、先発15人中2019年大会の経験者はウェールズが9人、フィジーは6人。うちプールマッチで激突した大分でのゲームに出場しているのは、ウェールズがPRトーマス・フランシス、FLアーロン・ウェインライト、SHガレス・デーヴィス、SOダン・ビガー、WTBアダムス、CTBジョージ・ノース、FBリアム・ウィリアムズの7人で、フィジーはPRエロニ・マウィ、HOサム・マタヴェシ、NO8ヴィリアメ・マタ、SHフランク・ロマニ、CTBランドランドラ、CTBナヤザレヴと6人全員が前回大会に続いての出場となる(試合は29-17でウェールズが勝利)。
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