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今年のセブンズ(7人制)高校王者は。未来を担う才能の登場は――。
見どころ満載の3日間がいよいよ始まる。
高校の7人制ナンバーワンを決める「第9回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会」が、7月16日(土)からの3日間、長野・菅平高原のサニアパークで開催される。
「春の選抜」「冬の花園」と合わせて「高校3冠」の一つにも数えられる。各都道府県の予選には621チーム(単独565/合同56)が参加し、昨季優勝の東海大仰星(大阪)を含む48チームが本大会に出場する。
大会1日目は、土曜日の朝9時から予選プールが始まる。3チームずつ16組に分かれての総当たり戦だ。
大会2日目からは、予選プールの順位別にカップ(各組1位)、プレート(各組2位)、ボウル(各組3位)のトーナメント戦が始まる。
初開催は2014年だ。オリンピックに向けた7人制ラグビーの強化普及等を目的として始まり、東福岡が初代王者に。初代MVPは東福岡の主将を務めた古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)だった。
歴代優勝校は4校。
優勝最多3回を誇る東福岡(2014、2016、2017)。優勝2回の東海大仰星(2015、2021)。そして2018年大会を制した流経大柏(千葉)、翌2019年に優勝した桐蔭学園(神奈川)だ。
2020年はコロナ禍で初の中止となったが、2021年は開催に漕ぎ着け、東海大仰星が王者に。今夏に連覇達成となれば優勝回数で東福岡に並ぶ。
これら歴代優勝校に加え、春の選抜を初制覇した報徳学園(兵庫)、昨季花園で準優勝を遂げた國學院栃木、選抜ベスト4の佐賀工業など、全国強豪が菅平にやってくる。
それでは大会1日目、予選プールの組み合わせを見てみよう。
■Aプール
仙台育英(宮城・8大会連続8回目)
米子工業(鳥取・4大会連続4回目)
佐賀工業(佐賀・8大会連続8回目)
昨年プレート(各組2位)トーナメントで準優勝を果たした仙台育英は、宮内幹大、舛尾和、セブンズユースの後藤翔大らを擁する佐賀工業と激突する。4大会連続出場の実績がある米子工業は、昨年のボウル15位から躍進なるか。
■Bプール
早稲田実業(東京・2大会連続2回目)
坂出第一(香川・3大会連続4回目)
岡谷工業(長野・2大会連続3回目)
全国最多45校が参加した予選を勝ち抜いた早稲田実業。昨年はカップ(各組1位)トーナメント7位の好成績。昨年共にボウル(各組3位)トーナメントに回った坂出第一、岡谷工業の対戦は要注目だ。
■Cプール
昌平(埼玉・2大会ぶり2回目)
熊本西(熊本・3大会ぶり3回目)
朝明(三重・7大会連続7回目)
混戦も予想されるCプール。例年好ランナーを輩出する朝明は昨年プレート13位。連続出場の大会経験はアドバンテージだろう。2大会ぶりの昌平は前回出場のボウル13位を超えたいところ。3大会ぶりの熊本西との対決に注目が集まる。
■Dプール
報徳学園(兵庫・8大会連続8回目)
高鍋(宮崎・8大会連続8回目)
札幌山の手(北海道・3大会連続7回目)
有力候補はやはり選抜優勝の報徳学園。セブンズユース選出の海老澤琥珀、竹之下仁吾、伊藤利江人など逸材揃い。花園11大会連続出場中の高鍋、モンゴル人留学生のダバジャブノロブサマブーらが在籍する札幌山の手が入った激戦必至のプールだ。
■Eプール
大分東明(大分・2大会ぶり4回目)
中部大春日丘(愛知・6大会ぶり3回目)
秋田工業(秋田・2大会連続3回目)
全国強豪が揃った注目プール。大分東明はナブラギ エロニ、浦川直輝、浦山丈など強力バックス陣を誇る。中部大春日丘も負けておらず2年生ながら代表候補選出の福田大和らが在籍。古豪・秋田工業は6月の東北大会を制した東北王者だ。
■Fプール
若狭東(福井・3大会連続5回目)
明和県央(群馬・3大会ぶり4回目)
尾道(広島・8大会連続8回目)
昨年ボウル13位だった全国常連の若狭東、3大会ぶりの明和県央、全大会出場の尾道が入った。尾道の水谷康生は注目の快足ランナーだ。
■Gプール
倉敷(岡山・2大会連続2回目)
青森山田(青森・3大会連続3回目)
東海大仰星(大阪・8大会連続8回目)
大会連覇を目指す東海大仰星。増山将、穴澤開、大畑咲太などタレントが揃う。パワフルなFWで前回大会決勝も経験している松沼寛治もいる。倉敷と青森山田は2大会連続で同プール。昨年は倉敷が7点差(26-19)で勝利したが、今回は果たして。
■Hプール
常翔学園(大阪・5大会ぶり2回目)
黒沢尻工業(岩手・3大会ぶり4回目)
松山聖陵(愛媛・2大会連続5回目)
岩手2位で出場した6月の東北大会II部で優勝した黒沢尻工業は、3大会ぶりの出場。昨年優勝校の東海大仰星が出場権を得たため2校出場となった大阪からは、代表候補の田中景翔、ファイアラガ義信ダビデも在籍する常翔学園。花園3大会連続出場中と躍進する松山聖陵には、共に1年から主力のNO8井上魁やSO/CTB中村仁も。好ゲームが予想される。
■Iプール
富山第一(富山・3大会連続3回目)
コザ(沖縄・2大会ぶり2回目)
流経大柏(千葉・8大会連続8回目)
小澤天、中川功己、飯岡建人など才能が集まり、2回目の優勝を目指す流経大柏。2年生の阿部煌生もセブンズユースの活動に参加した経験を持つ。3大会連続出場中の富山第一、2大会ぶりのコザの果敢なチャレンジが期待される。
■Jプール
岐阜工業(岐阜・3大会ぶり3回目)
長崎北陽台(長崎・8大会連続8回目)
勿来工業(福島・初出場)
予選に単独11チームが参加した福島から、勿来工業が初出場を掴んだ。岐阜工業は3大会ぶりの出場。実績で先行する長崎北陽台には、パワフルFWの亀井秋穂、白丸智乃祐、俊足の亀川友哉らが在籍する。
■Kプール
城東(徳島・5大会連続5回目)
光泉カトリック(滋賀・2大会ぶり4回目)
東海大甲府(山梨・初出場)
全国で実績豊富な城東、高校ジャパン候補のCTB西村長を擁する光泉カトリック、そして山梨で王者・日川を追走している東海大甲府が入った。今回は山梨県予選で21-19で日川を破り初優勝、大会初出場を決めた。
■Lプール
土佐塾(高知・2大会連続6回目)
國學院栃木(栃木・6大会連続7回目)
天理(奈良・2大会ぶり2回目)
昨年ボウル3位だった土佐塾は2大会連続の出場となる。前回大会準優勝の國學院栃木と、2大会ぶりの出場となる全国強豪の天理はビックカード。國學院栃木には代表候補の島崎聖弥、伊藤龍之介、青柳潤之介ら。福田正武はセブンズユースのメンバーで、彼らは昨季大会決勝を経験。天理に代表候補の松隈孝成、太安善明、プレーメーカーの須田厳太、フィニッシャーの田仲功栄など。プール戦屈指の好カードだ。
■Mプール
桐蔭学園(神奈川・8大会連続8回目)
石見智翠館(島根・8大会連続8回目)
日本航空石川(石川・8大会連続8回目)
全8大会に出場している3校が並んだ激戦区。高校代表候補の矢崎由高など才能集団である桐蔭学園は昨年カップ9位。昨年はその上をゆくカップ5位だった石見智翠館にも188センチの2年生ランナーである加島優陽ら、楽しみな逸材が。日本航空石川はトゥポウ トゥリマファが強力。2年生の中山二千翔も将来性豊かだ。
■Nプール
鹿児島実業(鹿児島・2大会連続6回目)
近大和歌山(和歌山・6大会連続6回目)
茗溪学園(茨城・8大会連続8回目)
連続出場が6大会途切れない近大和歌山。昨年はボウル初戦で今年同プールの鹿児島実業に敗戦して9位。その鹿児島実業はボウル7位。対決の行方に注目だ。昨年カップ7位の茗溪学園にはセブンズユースの森尾大悟が在籍。今年の関東大会では日川に63-5で圧勝してBブロック制覇。スピード豊かなアタックは見物だ。
■Oプール
大津緑洋(山口・4大会連続5回目)
京都工学院(京都・3大会ぶり3回目)
開志国際(新潟・2大会連続2回目)
京都工学院は鈴木結登、吉田雅のハーフ団、CTB富山泰成という才能豊かなバックス陣を擁する。予選で昨年プレート3位の京都成章を24-5で降し、3大会ぶりの出場を掴んだ。昨年ボウル5位の大津緑洋、昨年花園に連続2回目の出場を果たした開志国際は昨年プレート11位。フール・ルシアーノエマニュエルら好ランナーたちがセブンズで輝くか。
■Pプール
山形中央(山形・7大会連続7回目)
東福岡(福岡・8大会連続8回目)
東海大翔洋(静岡・5大会ぶり2回目)
大会最多優勝を誇る昨年3位の東福岡に2校がチャレンジする。山形の高校ラグビーを牽引する山形中央は、昨年プール初戦で勝利し、その後も接戦を繰り広げてプレート15位に。着実に力をつける東海大翔洋は5大会ぶり。高校ジャパン候補で185センチの名取稜太郎ら注目選手は多い。
ただ東福岡はやはり実力者揃い。西柊太郎、上嶋友也、石原幹士などスピード豊かな選手が多く、司令塔の高本とわは代表候補に、セブンズユースにと引っ張りだこ。「春の選抜」決勝は出場辞退により中止となったが、優勝した報徳学園との練習試合には37-10で勝利。優勝候補に挙げられる。
タフな3日間で存在感を示すのは一体どのチームだろうか。きらめく才能の登場にも期待したい。J SPORTSオンデマンドでは大会の全試合をLIVE配信する。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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