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釜石シーウェイブススターティングメンバー
一方スクラムはシーウェイブスが9試合で51回(1試合平均5.7回)、スカイアクティブズが10試合で94回(同9.4回)と本数に差があるものの、成功率はそれぞれ74.5パーセント、76.6パーセントとほぼ同じ。1巡目の対戦は冷たい雨の中でのゲームでセットプレーの多い展開となったが、2巡目の対戦はお互いに持ち味を出し合いボールがよく動く内容だった。日曜日の釜石の予報は曇りのち雨。天候がどのように影響を及ぼすかという点も、この試合のひとつのポイントになるだろう。
データ提供:Opta
発表された登録メンバーを見ていくと、シーウェイブスの3週前のリーグ戦最終節からの変更は2人。レッドカードにより6試合の出場停止となったサム・ヘンウッドに替わって中野裕太がメンバー入りし、上田宥人が6番からNO8にシフトする。攻守の大黒柱であるヘンウッドの欠場は痛いが、FW8人が一丸となってその穴をカバーしたいところだ。
BKではFBに打開力とハイボールの強さを兼ね備えたキャメロン・ベイリーが入ったのは大きなプラス材料だ。オールブラックスでキャップ1のSOブレット・キャメロン、現在好調のCTBヘルダス・ファンデルヴォルトとの組み合わせは、相手にとって脅威となるだろう。キッキングゲームで優位に立ち、敵陣でのプレータイムを増やしてFWの負担を軽減するという点でも、SOキャメロンとFBベイリーは重要な役割を担う。
スカイアクティブズ広島スターティングメンバー
対するスカイアクティブズは前週のレッドドルフィンズ戦からFW1人、BK2人の3人を入れ替えた。芦田朋輝がリザーブから繰り上がり、西野嘉修に替わって6番で先発。LOオズボーン、FLデヴィン・フェリス、NO8イシレリ・マヌとFWに外国人選手を3人起用する布陣で、ボール争奪局面で優位に立つという意図を感じさせるメンバー構成だ。
BKは摂南大からこの4月に加入したばかりのテビタ・タイが14番で初のスターターを務める。またキレのあるランとハードタックルでチームを鼓舞する崎(正しくは右上が「立」)口銀二朗がFBに戻り、ライン全体としても厚みが増した印象だ。攻守に渡るひたむきなプレーが持ち味のCTB亀井康平がゲームキャプテンを務める。
いずれも粘り強いディフェンスからリズムを生み出し、敵陣でのセットプレーを起点に15人一丸のアタックで得点を目指すスタイルだけに、いいエリアでの攻撃機会を着実にスコアへ結びつけることが勝利の条件となるだろう。ポストシーズンのゲームではリーグ戦とは異なる重いプレッシャーがかかるだけに、規律を保ちペナルティを少なくとどめることも、試合の流れを左右する大切な要素となる。最後まで目の離せない熱戦を期待したい。
文:直江 光信
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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