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ラグビー コラム 2021年4月26日

【ハイライト動画あり】これぞノックアウトステージ。NTTドコモがHondaとの激闘を制し、堂々のトップ8進出。

ラグビーレポート by 直江 光信
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【ハイライト】Honda vs. NTTドコモ|トップリーグ 2021 プレーオフ2回戦

生方信孝(Honda)

風と残り時間を考えれば、NTTドコモが勝利に手をかけたかと思われたこの曲面。しかしHondaはあきらめなかった。23分、ハーフウェーライン上のスクラムから右サイドを攻め、大外でパスを受けたWTB生方信孝があざやかにペレナラを抜いてインゴールへキック。弾むボールをみずから押さえ、反攻の口火を切る。さらに4分後には途中出場のCTBクリントン・ノックスのビッグゲインで敵陣22メートル線内に攻め込み、最後はLOモスタートが200cm、112kgの巨躯を伸ばしてインゴールにねじ込んだ。

スコアは8点差。残り時間は12分あまりで、モメンタムはHondaに傾いている。NTTドコモにとってはまさに真価が問われる正念場。そしてこの勝負どころで、レッドハリケーンズの今季の充実はあらためて証明された。

気迫を前面に出して攻守に圧力をかけてくるHonda。しかしNTTドコモはそれを上回る激しさで献身的に体を当て続け、相手を敵陣に押しとどめる。34分過ぎにHondaの鋭いアタックにあわやというシーンを作られたものの、懸命のカバーディフェンスでエラーを誘い、危機を脱出。最後まで高い集中力を維持したまま、残り時間をしのぎ切った。

多くの注目を浴びる中でプレーオフを迎え、さらにこの試合は相手の挑戦を受ける構図だっただけに、NTTドコモには少なからずプレッシャーがあったはずだ。そしてその状況で、苦しみながらも要所に地力を発揮し、きっちりと勝ち切ったことは大きな価値がある。過去の最高成績は2014年度の11位で、これがクラブとして初のベスト8進出。試練を乗り越えた経験によって、チームの自信はさらに深まるだろう。

「チームメイトを誇りに思います。歴史を変えるのは簡単なことではありません。ただ、トップ8で満足はしていない。そのためにやってきたわけではないし、もっと高みを目指していきます」(SHペレナラ)

敗れたHondaも、突き放されそうな場面でよく踏みとどまり、逆転をイメージできるところまで追い上げた戦いぶりは立派だった。鬼気迫るハードヒットを連発したLOモスタートが象徴するように誰もが猛然と体を張り、ファイティングポーズをとりつづけた姿勢には、今季の確かな足跡が表れていた。思い描いていたようなシーズンを送ることはできなかったが、最後にベストゲームといえる内容で戦いを終えたことは、きっと来シーズンにつながるはずだ。

「この1週間、自分たちの持っている力を最大限出すための準備をしてきました。満足しているといったらおかしいですが、準備してきたことをしっかり出すことができて、チーム全員を誇りに思います」(FL小林亮太主将)

フルタイムの瞬間までテンションが途切れず、ここという勝負どころでこのゲームのために作り上げたスペシャルプレーが繰り出されるなど、これぞノックアウトステージというべき緊張感に満ちた80分。準々決勝以降がさらに楽しみになる一戦だった。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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