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ラグビー コラム 2021年2月2日

解説者、お客さんになる ~トップリーグ 開幕を待ちながら~

be rugby ~ラグビーであれ~ by 藤島 大
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忘れてはいけない。キヤノンのキャプテンはジャパンの10番、田村優。きっと自然体だろうリーダーシップを記憶の倉庫に積み上げたい。そういえば、この負けず嫌いの頭脳はドコモ新加入のマカゾレ・マピンピにワールドカップで抜かれた。忘れるはずもない。ファイナル!

なんて『ラグビーマガジン』の選手名鑑のページを繰りながら開幕節の日程とすりあわせては展開や場面を勝手に思い描く。

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三菱重工相模原ダイナボアーズはサントリーサンゴリアス、日野レッドドルフィンズはヤマハ発動機ジュビロにそれぞれ挑む。過去の戦績に鑑みるなら力の差はある。しかし、再編前の最後のトップリーグには現況ゆえの別の要素が加わる。

「ラグビーをできる喜び」がそれだ。仲間と肩を組み、憎らしいのに敬いたくなる相手と芝の上で戦える。ひとつの試合のひとつの瞬間は、どこかへつながるのではなく、ただ眼前にある幸福である。理屈ではない根源的な心情がチームという束と化すと、限界のありかは移る。挑戦者の力は伸びる。よりたくさんの喜びを覚える側がきっと勝つ。勝てないまでも鋭く迫る。と、これも想像なのだが。

スポーツを報じる仕事をしている。職業の鉄則は「お客さんになるな」。取材パスをもらい一般の観客のアクセスできぬ場所へ入るのだから、おのれが喜んだり悲しんだりしてはならない。だが、しかし、されど、2021年のトップリーグについてはラグビーをできて喜ぶ者を見つめて、こちらも喜びたい。「どこが強かったか」でなく、そのつどの「どちらが強いか」をファンの心で楽しみたい。ここは正直に、あのワールドカップ日本大会の直前より現在のほうが「早く始まり、いつまでも終わるな」という気持ちに支配されている。

文:藤島 大

藤島大

藤島 大

1961年生まれ。J SPORTSラグビー解説者。都立秋川高校、早稲田大学でラグビー部に所属。都立国立高校、早稲田大学でコーチも務めた。 スポーツニッポン新聞社を経て、92年に独立。第1回からラグビーのW杯をすべて取材。 著書に『熱狂のアルカディア』(文藝春秋)、『人類のためだ。』(鉄筆)、『知と熱』『序列を超えて。』『ラグビーって、いいもんだね。』(鉄筆文庫)近著は『事実を集めて「嘘」を書く』(エクスナレッジ)など。 ラグビーマガジン、週刊現代などに連載。ラジオNIKKEIで毎月第一月曜に『藤島大の楕円球にみる夢』放送中。

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