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両軍通じて4枚目のカードが相手に掲げられ、オーストラリアにさらなる追い風が吹いた。
すると後半27分、モールの攻防を制し、グラウンディングに成功したFLフーパー主将が珍しく雄叫び。その後のFBリース・ホッジのコンバージョンも成功し、ついにスコアは振り出し(16-16)となった。
さらにオーストラリアに勝ち越しのチャンスが到来する。
後半39分、アルゼンチンがモールで反則を犯し、ここでオーストラリアのFBホッジがショット選択。しかし40m超のキックはHポールの右に反れ、FBホッジは頭を抱えた。
その後攻防で両者に得点はなく、フルタイムの笛。計4枚のカードが乱れ飛んだ雨中戦は2度目のドロー(16-16)で終幕。前回対戦に続いて勝敗はつかず、ニュージーランドの優勝が決定した。
アルゼンチンのマリオ・レデスマHC(ヘッドコーチ)は試合後、現地メディアに対して「私たちは4週続けて試合があり、他のチームが休んでいる間も休息がありませんでした」とした上で、それでも1勝1敗2分け(2位)で大会を終えた選手の努力を「素晴らしい」と誇った。
オーストラリアも1勝1敗2分けだったが、順位は3位でフィニッシュ。
デイヴ・レニーHCは自軍にレッドカードもあった最終戦を振り返り「今夜の規律面は残念」と語った。
ただ2020年はコロナ禍もありながら、21歳のNO8ハリー・ウィルソンなど新戦力が台頭。オーストラリア代表“ワラビーズ”の今後は楽しみだ。
「私たちにはハードワークできるチームマンの好漢が揃っています。ただそれがパフォーマンスに反映されているかは検討する必要があるでしょう」(オーストラリア・レニーHC)
レニーHCが「成長中」と語るワラビーズのこれからに期待は高まる。2023年のフランスW杯は一体どんな陣容で迎えるのだろう。
もちろんアルゼンチン代表のこれからも見逃せない。
今大会ではオールブラックスから歴史的な初勝利を奪い、オーストラリアとは2度引き分けた。格が一段上がったと感じたファンも多いのではないだろうか。FLパブロ・マテーラ主将率いるアルゼンチン代表の2023年W杯が、今から楽しみでならない。
文:多羅正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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