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もちろんロシアの指揮官、リン・ジョーンズHCは、日本の強みを理解している。
「われわれはかなりプレッシャーを受けるだろう。ゲームは肉弾戦、かつ速い展開になると予想している」
「日本はスピードを生かそうとするので、われわれにとっては集中力が鍵だ。ゲーム中はともかく集中力を切らさないことだ。アウェーのプレッシャーに負けず、試合後のことなど気にしないでいく」
原稿執筆時点で出場メンバーは未定だが、怪我明けのHO(フッカー)堀江翔太、FL/NO8姫野和樹の出場も予想される。リーチ主将を筆頭にセットピース(スクラムとラインアウト)を安定させ、堅固な土台を築きたい。
司令塔とも呼ばれるSO(スタンドオフ)は田村優の先発が予想される。的確な判断によるパス、キックで得点機を呼び込む。
注目はWTB(ウイング)とFB(フルバック)のメンバーだろう。エースのWTB福岡堅樹は南アフリカ戦で右ふくらはぎを負傷し、開幕戦は回避見込み。
南アフリカ戦ではキック処理に課題を残した。ロシアはクシナリョフ、ガイシンというキックが得意な10番を擁しており、日本のバックスリーは警戒が必要だろう。
ジャパンが誇る精緻なスクラムは、南アフリカ戦で強みを発揮。ただロシアは相手1番のPR(プロップ)ヴァレリー・モロゾフが強烈。
3番のPRウラジミール・ポドレゾフは昨年の対戦で、劣勢時に故意にスクラムを崩していた。反則を見るナイジェル・オーウェンス レフリーとのコミュニケーションも重要になるだろう。
ロシアを格下と見る向きもあるが、参加20か国が死力を尽くす4年に1度の世界最強決定戦で、楽な試合はひとつもないはずだ。
リーチ主将は開幕戦へ向けて気を引き締めている。
「(初戦の相手)ロシアを非常にリスペクトしている。フィジカルにすごく自信があるし、強いバックスも多くセットプレーも強い」
「フィジカルで負けてはいけないが、それよりメンタルの部分。相手はこの試合に100%をかけてベストの状態でやってくる。ずっと前から言っているが、(プール戦)4試合の中で、一番きつい試合になる」
運命のキックオフは19時45分だ。多くの期待を背に受けて、勇敢な桜の戦士たちが走り出す。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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