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今年度も12月27日から1月7日まで、大阪・東大阪市花園ラグビー場で「花園」こと、第98回高校ラグビーフットボール大会が行われる。
A・Bのシード13校を中心に優勝が争われるが、個々の選手にとっては3月に毎年、欧州に遠征している高校日本代表争いも兼ねている。
11月末に116名(FW:59名、BK:57名)の「高校ジャパン」、高校日本代表の候補の第2次メンバーが発表された(すでに第3次メンバーが発表されているが、花園に出場できなかった選手だけで編成されている)。
そのうち84名が花園に出場する。まず、昨年度、高校2年生ながら高校日本代表としてU19アイルランド代表に勝利した一員だった、LOアサエリ・ラウシ(日本航空石川3年)、CTB李承信(大阪朝鮮3年)は、もちろんメンバー入り。
もっとも、高校ジャパン候補が多かったのは、Aシードの東福岡でなんど11名(※詳細は一番最後)。先発のほとんどが候補選手であり、2年生にはU17日本代表選手もおり、個々の能力の高いタレント集団だということがよくわかる。
次に多いのは、Aシードの大阪桐蔭(大阪第1)と桐蔭学園(神奈川)の2校がそれぞれ8名ずつで2位タイ。
4番目に多いのはBシードの中部大春日丘(愛知)が7人、5番目に多いのは同じくBシードの流通経済大柏(千葉)と、ノーシードの石見智翠館(島根)で5人といった具合だ。
続いて同じくノーシードだが、強豪の京都成章(京都)が4人、Bシードの天理(奈良)と報徳学園(兵庫)と長崎北陽台(長崎)、ノーシードの深谷(埼玉)が3人と続く。
また、今年は10月にアルゼンチンでユース五輪が開かれ、南アフリカ代表を下して銅メダルを獲得した。
セブンズユース日本代表の半数は大学生だったが、高校生も6人選ばれており、5人は花園にも出場する。そして4人は高校日本代表候補にも選出されている。
高校日本代表候補には選ばれていないが、報徳学園のFB山田響は2年生ながら唯一のメンバーであり、スピードに魅力のある選手だ。
◆ユース五輪代表選手で花園出場する5人
・CTB 石田吉平(常翔学園3年)
・WTB 植村陽彦(茗渓学園3年)
・SH 小西泰聖(桐蔭学園3年)
・FB 二村莞司(京都成章3年)
・FB 山田 響(報徳学園2年)
また、高校2年生以下のU17日本代表が毎年夏に編成されて、アジア勢と戦っている。U17日本代表は最年少で桜のジャージーを着ることができるチームである。
PR江良颯、FL奥井章仁(ともに大阪桐蔭2年)、LO山本嶺二郎(京都成章2年)、LO亀井茜風(長崎北陽台2年)SO廣瀬雄也(東福岡2年)、CTB/FB伊藤大祐(桐蔭学園2年)、CTB伊藤大祐(桐蔭学園2年)WTB/FB高本とむ(東福岡2年)といったメンバーは2年生ながら今年の高校ジャパン候補にも選出されている。
主将を務めていたFB小泉怜史(早稲田実業3年)を筆頭に、昨年のU17日本代表メンバーの多くが高校日本代表候補に選ばれ、今年度の花園にも出場する。
◆2018年 U17日本代表メンバーで花園に出場する選手
・PR:江良颯(大阪桐蔭2年)/中山律希(天理2年)/小西優治(東福岡2年)/川崎太雅(東福岡2年)
・HO:福澤慎太郎(本郷2年)
・LO:山本嶺二郎(京都成章2年)/亀井茜風(長崎北陽台2年)/LO新屋快(大阪桐蔭2年)
・FL/NO8:西濱悠太(東福岡2年)、小嶋大士(日川2年)/奥井章仁(大阪桐蔭2年)
・SH:大越勇気(茗溪学園2年)
・SO:廣瀬雄也(東福岡2年)、伊藤耕太郎(國學院栃木2年)
・CTB:伊藤大祐(桐蔭学園2年)/岡崎颯馬(長崎北陽台2年)
・WTB/FB:高本とむ(東福岡2年)/戒田慶都(新田2年)
いずれにせよ、チームの勝利、そして優勝争いために、身体を張ること、いいプレーをすることが高校日本代表への道へとつながっていくだろう。
また見ている側も、高校日本代表候補はそのチームの中心選手であり、まずは彼らに注目すれば楽しめること間違いなし。
そして、この中から、もしかしたら2023年ラグビーワールドカップ、2024年パリオリンピックに出場する選手が出てくるかもしれない。
「花園から世界へ」――というスローガンの通り、花園での経験を糧に大きく飛躍する選手がたくさん出てきてほしい。
◆2018年度高校日本代表候補で花園に出場する選手たち(高校別)
☆印:2017年度高校日本代表
★印:ユース五輪日本代表
◎印:2018年度U17日本代表
※印:2017年度U17日本代表
◆東福岡(11人)
・PR 木原優作(3年)※
・HO 福井 翔(3年)※
・FL 小島雅登(3年)※
・FL 長田 啓(3年)
・SH 友池瞭汰(3年)
・SO 廣瀬雄也(2年)
・SO 吉村 紘(3年)※
・CTB 宝田悠介(3年)
・CTB 原口虎太郎(3年)
・WTB 高本とむ(2年)◎
・FB 竹下拓己(3年)
◆大阪桐蔭(8人)
・PR 江良 颯(2年)◎
・HO 中川 魁(3年)
・FL 奥井章仁(2年)◎
・FL 河村レイジ(3年)
・NO8 堤田京太郎(3年)
・SO 高本幹也(3年)※
・CTB 松山千大(3年)
・CTB 三島琳久(3年)
◆桐蔭学園(8人)
・PR 鈴木康平(3年)
・HO 紀伊遼平(3年)※
・FL 伊藤峻祐(3年)※
・FL 今野勇久(3年)※
・SH 小西泰聖(3年)★
・SO 津田貫汰(3年)
・WTB 佐々木隼(3年)
・FB 伊藤大祐(2年)◎
◆中部大学春日丘(7人)
・PR 青木康太郎(3年)
・PR 池田真人(3年)
・HO 肥田晃季(3年)
・FL 古庄竜也(3年)
・SH 岡本泰斉(3年)
・CTB 野中太陽(3年)
・WTB 大籔洸太(3年)※
◆流通経済大学柏(5人)
・PR 葛西拓斗(3年)※
・LO 星野竜輝(3年)
・LO 八木澤龍翔(3年)
・FL 當眞慶(3年)
・WTB 永山大地(3年)
◆石見智翠館(5人)
・PR 秋枝健太(3年)
・PR 松井那智(3年)
・LO 甲斐登生(3年)
・LO 武内 慎(3年)※
・CTB 佐藤友亮(3年)
◆京都成章(4人)
・HO 内山二千斗(3年)※
・LO 山本嶺二郎(2年)◎※
・SH 片岡祐二(3年)※
・FB 二村莞司(3年)★
◆天理(3人)
・PR 金山忠次(3年)
・FL 山村勝悟(3年)
・WTB 津野来真(3年)
◆報徳学園(3人)
・HO 大賀宗志(3年)※
・FL 福西隼杜(3年)※
・SH 丸尾祐資(3年)※
◆長崎北陽台(3人)
・LO 亀井茜風(2年)◎
・NO8 山添圭祐(3年)
・FB 山口泰輝(2年)
◆深谷(3人)
・NO8 脇野倫太朗(3年)
・WTB 金川凌真(3年)
・WTB 間瀬陽紀(3年)
◆札幌山の手(2人)
・PR シンクル寛造(3年)
・LO ヴェア・タモエフォラウ(2年)
◆秋田中央(2人)
・NO8 佐藤達朗(3年)
・WTB 吉尾泰成(3年)
◆茗渓学園(2人)
・CTB 大森広太郎(3年)
・WTB 植村陽彦(3年)★
◆早稲田実業(2人)
・NO8 相良昌彦(3年)
・FB 小泉怜史(3年)※
◆大阪朝鮮(2人)
・PR 李優河(3年)
・CTB 李承信(3年)☆
◆常翔学園(2人)
・SH 前田翔哉(3年)
・WTB 石田吉平(3年)★
◆日本航空石川(2人)
・LO アサエリ・ラウシ(3年)☆
・CTB テビタ・ポレオ(2年)
◆尾道(2人)
・NO8 高武俊輔(3年)※
・SH 新和田錬(3年)
◆佐賀工業(2人)
・SH 山田航平(3年)
・WTB 水間夢翔(3年)
そのほかに、LO小鹿裕哉(青森北3年)、PR鈴木玲央(黒沢尻北3年)、PR南豪思(新潟工業3年)、PR 中村公星(國學院栃木3年)、SO 齊藤誉哉(桐生第一3年)、SO松島聡(大分舞鶴3年)が花園に出場する。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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