京都産業大学ラグビー部、強豪校を支える伝統の「栄養合宿」

1日10升の米を平らげる

測定が終わると主将を先頭に席に着く。わんぱく笑顔がそろう瞬間だ。どんぶり鉢にこんもり盛られた炊きたてのご飯（約500グラム）を受け取っていく。

勢いよく3杯を平らげ、FWの横山慶太郎（4年＝京都成章）は言う。「栄養合宿を通じて、みんなで同じ空間を過ごすことでチーム力も高まっている」。

この合宿の目的は「食トレ」だけではない。黙々と食卓を囲むのではなく、それぞれのテーブルでラグビー談義。こうした空間でも、チーム力は形成されていくのであった。

鍋を囲みラグビーを語り合うメンバー

今季、華々しいデビューを飾った1年生・笹岡海斗（京都成章）は「初めて来たときは（ご飯の）量の多さに驚きました（笑）。ただ、毎日本当においしくて、どんどん食べられちゃいます」と照れ笑い。

500グラムのお米3杯と栄養満点の鍋物を毎日食べ続ける。どんなにたくさん食べて育ってきたラガーマンでも、最初は驚きを欠かせないという。運動量と比例しているため少しずつにはなるが、体重も増加傾向にある。

1時間ほどの食事を終えると、再び指揮官の号令。両手を合わせて「ごちそうさまでした ! 」。選手たちは満腹をさすりながら、練習終了の合図にニヤリ。

すると、コンロ磨きに食器の後始末など、分担して後片付け。片付けの傍ら、手が空いた人から食後の体重測定が始まる。先ほどのノートには食後の体重と増減が書き記されていく。

多いと1回の食事で5キロ増える選手もいる。たくましく、頑丈な身体を保つ秘訣は、まさに毎日の栄養合宿にあった。

信じた道に一直線。ひたむきに続けてきた「栄養合宿」は、伝統スクラムを形成してきた。今季もこの場所から、赤紺戦士の体力は培われていく。

保護者、支援者、食材への感謝を忘れずに―。「いただきます ! 」。強さの歴史とともに、野太い声が響く。

文／写真：山内美優（京産大アスレチック）

◆京都産業大学 関西大学リーグ 放送＆配信予定
・11月18日（日）午後2:00　関西学院大学 vs. 京都産業大学
※J SPORTSオンデマンドLIVE配信
・11月24日（土）午後2:00　京都産業大学 vs. 天理大学
※J SPORTS 4 生中継＆J SPORTSオンデマンドLIVE配信