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関東大学ラグビーは春季大会が始まっている中、5月6日(日)、東京・秩父宮ラグビー場ではアジアツアー中の「ラグビー王国」ニュージーランドの大学のクラブに所属する選手で構成されるNZU(ニュージーランド学生代表)が関東学生代表と対戦する。
サム・ホワイトロックやコンラッド・スミスなど、オールブラックスも輩出しているNZUは、古くから日本ラグビーと関わりがあり、今回は1936年の初の来日から15回目のツアーとなった。
今回の遠征は4月28日の九州選抜戦にはじまり、5月3日の関西学生代表戦、そして今回の関東学生代表との一戦。さらに5月9日にはシンガポールでシンガポール代表戦と約2週間で4試合というタフな日程である。
強行日程ということもあって、NZUは「スーパーラグビー」やニュージーランドの国内リーグである「マイター10カップ」、そしてU20ニュージーランド代表経験者などを含む、強いスコッドで来日している。
CTB(センター)ハミッシュ・ノースコットは、ブルーズでスーパーラグビーに出場した経験があり、カンタベリーでプレーしていたSO(スタンドオフ)ブレット・キャメロンは今年、クルセイダーズでデビュー。CTBジョシュ・ティムはハイランダーズのトレーニングスコッドの一員である。
他にもPR(プロップ)ポウリ・ラケテストーンズ、HO(フッカー)ニック・グローガンLO(ロック)ハミッシュ・ダルゼル、アウトバックスのケレブ・マッケーネなどは、U20ニュージーランド代表歴のある選手だ。
その結果、トップリーグのコカ・コーラを筆頭に、九州電力、マツダ、中国電力の選手で構成された遠征初戦の九州選抜(Q-LANDERS)、には後半20分まで27-31でリードされたが、残り20分で5トライを挙げて、58-31で逆転勝利。
さらに2試合目の関西学生代表戦は初戦とは違い、序盤から得意のオフロードパスなどのつなぎを見せた。
WTB(ウイング)マイレ・コロトらが6トライを重ねて、前半だけで40-7で勝負を決めると、後半は関西学生代表のスクラムに苦しみながらも、47-33で勝利している。
2連勝と勢いに乗るNZUに対して関東代表は、大学選手権9連覇中の帝京大学、昨年度の大学選手権準優勝の明治大学、関東大学リーグ戦優勝の大東文化大学らを中心とした、将来の日本ラグビーを担うであろう下記のメンバーで臨む。
なお、帝京大学監督の岩出雅之氏が関東学生代表の監督を務め、田中澄憲氏(明治大学監督)、金沢篤氏(慶應義塾大学ヘッドコーチ)、木村季由氏(東海大学監督)、青柳勝彦氏(大東文化大学監督)の4人がコーチを務める。
【FW】(フォワード)
・帝京大学:呉季依典(4年)、淺岡俊亮(4年)、秋山大地(4年)、ブロディ・マクカラン(4年)、菅原貴人(4年)
・明治大学:武井日向(3年)、齊藤剣(4年)、朝長駿(4年)
・大東文化大学:古畑翔(4年)、藤井大喜(3年)、タラウ・ファカタヴァ(4年)、アマト・ファカタヴァ(4年)
・慶應義塾大学:辻雄康(4年)
【BK】(バックス)
・帝京大学:小畑健太郎(4年)、北村将大(2年)、ニコラス・マクカラン(2年)
・明治大学:山村知也(3年)
・大東文化大学:シオペ・ロロ・タヴォ(2年)
・東海大学:眞野泰地(3年)
・慶應義塾大学:丹治辰碩(4年)、江嵜真悟(4年)
・流通経済大学:タナカ・ブランドン・ムゼケニエジ(3年)
・早稲田大学:中野将伍(3年)
・日本体育大学:中野剛通(4年)
NZUは関西学生代表戦のメンバーを見るとFW全員が身長180cm、体重100kgを超えており、身長190cm台が4人もいた。
FWは接点やラインアウトでもプレッシャーを受ける可能性が高く、BKのメンバーは20~22歳の選手が中心でカウンター能力に長けている。
強豪大学のレギュラーを揃えた関東学生代表としては、スクラムとディフェンスでプレッシャーをかけて、アタック能力の長けた選手も多いためトライの取り合いで上回りたいところ。岩出監督やコーチ陣の手腕にも期待したい。
NZUは日本での全勝を目指して戦いを挑んでくるはずだ。一方の関東学生代表としては日本勢としてNZUに対して3連敗は避けたいところ。
5月6日(日)、東京・秩父宮ラグビー場で午前11:30から関東大学春季大会の東海大学vs.明治大学が行われた後、午後2:00から関東学生代表vs. NZUの一戦が行われる。両試合とも、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
ラグビー王国のプライドが勝つか、将来の日本ラグビーをけん引するだろう若きタレントが揃った関東学生代表が、日本勢として初白星を挙げることができるか。もちろん、試合前のNZUのハカにも注目だ!
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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