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8月26日(土)から27日(日)にかけて、テラスモール湘南で、住友商事がスポンサー契約している原田海選手をゲストに迎えたイベント、「住友商事presentsキッズボルダリング体験会」が開催されました。
東京2020オリンピックに出場した原田選手は、指の怪我による困難な状況でオリンピックに立ち向かうことになりました。どん底を経験した原田選手がどのように乗り越えてきたのか? 2028年に開催されるロサンゼルスオリンピックに向けての意気込みや今後の活動も含め、お話を伺ってきました。
「自分らしい自由なスタイル」
テラスモール湘南は、住友商事グループが開発運営する商業施設で辻堂駅から直結しています。
ここでは、老若男女が買い物だけでなく、“場所”そのもので過ごす楽しさを味わえます。
この日は施設内に、高さ約3メートル、幅約5メートルのボルダリング壁や幼児用の滑り台がついた箱壁が設置されました。
(尾川)――今回のキッズボルダリング体験会はどうでしたか?
(原田)ショッピングモール内でのイベントは僕自身初めてだったのでとっても新鮮でした。
今まではクライミングジムや住友商事の社員さん向けのイベントでしたが、今回は商業施設内で一般の方も含めてのオープン開催で、子供たちにすごく人気があってよかったです!
――プロスポーツクライミングの選手になったきっかけは?
住友商事さんとの“出会い”がきっかけでした。スポンサーとしてサポートしていただけることになり、そこから本気でプロの選手としてやっていこうと思いました。
初めは、全くプロとして活動しようと思ってなかったんです。2018年に世界選手権で優勝したときも、大学を卒業したら、会社で仕事しながら大会に出場すればいいと思っていました。タイミングもあったと思います。
――クライミングの魅力は何だと思いますか?
男女や年齢関係なく楽しめて、自由なところだと思います。
競技として順位を争うスポーツクライミングだけでなく、自然の岩場でのクライミングなど、アウトドアを楽しんで過ごすなど、自分らしい”多様な“スタイルが自由に選べる点が魅力ですね。
――まだまだマイナースポーツですが、オリンピックになったことで”大きな力を生み出す“可能性を秘めるようになってきました。世の中にどんな影響をもたらすと思いますか?
正直なところ、競技だけに特化したガチガチなクライミングだけが広がって欲しくないなと思っています。
自分の好きな時間に、好きなように練習できる、そんな自由度の高いスポーツとして広がって欲しい。
僕自身も、練習を極限まで厳格にし過ぎて続かなかった他のスポーツが、クライミングだけは、その自由度の高さに魅力を感じて続けてこれたので、同じ思いをしている方々にも寄り添えるスポーツとして周知できたらなと思っています。
「悩んだ末に手に入れられる自信」
――今後、取り組んでいきたい原田選手の“未来”をお聞かせください。
今シーズンの冬に開催されるジャパンカップを復帰戦として考えています。
怪我もあり、東京オリンピックが終わってからいろいろと悩むこともあり…2年ほどワールドカップなどに出場もしていなかったので、これからロサンゼルスオリンピック出場に向けて本気で取り組んでいこうと考えています。
自分としっかり向き合って、挫けない心と体をあと5年で作っていきたいと思います。
――東京2020オリンピックに出場したことで”変わったこと“逆に”変わらなかったこと“はありますか?
全く周りの目を気にするタイプではなかったのですが、東京オリンピック出場が決まってからすごく注目されることが多くなって、気にするようになってしまいました。自分の気持ちがブレて嫌になることもあり、そこは変わったなと思いました。それ以外は何も変わらなかったですね。クライミングを楽しんで、挑戦する気持ちは全く変わらなかったです。
――もし自分に“限界”があるとしたら何ですか?
限界の90%はメンタルだと思っていて、メンタルが自分を限界にしているんだと思っています。
東京オリンピックが終わってこの2年間、正直、過去の自分を超えることがないかもと悩んでいたのですが、考え方を変えたりして、やる気をまた戻しました。そこで無理と思ったら無理ですね。
――そういった限界の壁を“乗り越え”て“強く”なるにはどんなことをしていますか?
僕は、あまり人に相談しないで、自分で決めるタイプです。それが自分で解決したと言う自信につながります。とにかく悩み続けますね。悩んで悩んで、どうしようもないくらい落ちて、後は、時間が経つにつれて考えが整理され、浮き上がってくる、浮き上がるしかないという感じです。
――ご自身の強みは何だと思いますか?
自分のことを把握するのは得意ですね。調子の良し悪しを把握できるので、大会前など、ある程度どんな結果になるかイメージできてしまいます。順位の良し悪しで決めず、自分のベストをどれだけ大会に持っていけたかを判断基準として大事にしていますね。順位が良くてもあまりベストが出せなかったら嬉しくないし、順位が悪くてもベストが出せれば嬉しいと思っています。
――今“情熱”をもって取り組んでいる事はありますか?
年齢を重ねてきて、体調管理や怪我に悩まされることが多くなったので、ケアの方法や怪我しない体作りを念入りに行うようになりましたね。
「クライミングの未来に一生を捧げる覚悟」
――クライミング業界にとって“役立つ”と思えることをご自身で何かされていたりしますか?
クライミングの啓蒙に力を入れていきたいと思っています。僕自身、同世代があまりおらず少し寂しい思いもあったので、もっと多くの方に周知をすることで、仲間が増えればいいなと思います。
――原田選手はクライミングにどんな”価値“を見出していますか?
僕の中では、クライミングと言えばやはり外の岩を登る“ロッククライミング”だと思っています。
競技とは違った独特な魅力がありますし、スポーツクライミングの競技を引退したときにロッククライミングに専念していきたいと思っていますが、そちらはもっとマイナーかつ認知度が低い。競技だけではないクライミングもあると言うことと、その良さを発信するため、今の自分がしっかり競技でがんばることで認知を広めいきたいです。
――住友商事さんが原田選手を含めスポーツクライミングの明るい未来に役立てるとしたら、どんなサポートを望みますか?
テラスモールの一角など、自分のクライミングジムを立ててほしいですね(笑)
練習環境の確保の面もありますが、僕が表に立ってクライミングの普及のために営業をがんばっていきたいなと思います。ほんとにジムができたら一生捧げる覚悟もあります(笑)
――それは本当に楽しみですね!私も登りに行きます!
――最後に将来スポーツクライミングの選手になりたい子供たちへメッセージをお願いします。
僕自身、何かにとらわれることなく、自由に取り組んでいて、それがクライミングを好きで続けられてきた理由です。だから子供たちにも自由に挑戦してほしいです。
――ありがとうございました。
原田選手の輝く瞳の奥には、ロサンゼルスオリンピックへの確固たる志、クライミングの未来を担っていく子供たちへの夢、自分を信じて限界という壁を乗り越えていく力を感じました。
原田選手の活躍を応援していきたいと思います。
取材・記事執筆:プロクライマー 尾川とも子
住友商事とスポーツクライミング
住友商事は2018年よりゴールドスポンサーとして、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 (JMSCA)に協賛しています。 困難な壁に立ち向かうスポーツクライミングは、さまざまな社会課題に立ち向かいながら豊かな社会に貢献したいという当社の企業理念にも通じます。2019年からは原田海選手と、2023年からは森秋彩選手とスポンサー契約を結んで応援しています。
スポーツクライミング特設サイトはこちら
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/special/climbing
尾川とも子
女性としては世界初の難度V14をクリア。競技歴わずか3年でアジアのトップに輝き、現在もアスリートと母親の立場を両立しながら「学校にボルダリングウォールを」という夢を追いながら活動中。
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