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モータースポーツ コラム 2026年10月6日

【プレビュー】ブレガ&ドゥカティの王座が決定!メーカーとして全戦全勝を狙う | FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第11戦 エストリル

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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FIM スーパーバイク世界選手権  2026 第1戦 フィリップアイランド

FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第11戦 エストリル

プロダクションバイクレースの最高峰「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の2026年シーズンはシーズンの締めくくりとなる2ラウンドを残し、第10戦・クレモナ(イタリア)でニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)のシリーズチャンピオン獲得が決定。そしてランキング2位のイケル・レクオーナ(ドゥカティ)もランキング2位を確定させました。

ドゥカティ100周年の記念すべき年に、ドゥカティのモータースポーツ参戦のメインステージともいえるWSBKで圧勝。ここまで第2戦ポルティマオから9ラウンド27レース連続の1-2フィニッシュを続ける快進撃で、地元イタリアのクレモナサーキットではなんと6ラウンド18レース連続の1-2フィニッシュを達成しました。今季のWSBKはシーズンが進んでもドゥカティの勢いが止まりません。

当然チームチャンピオンも、マニュファクチャラーズチャンピオンも決定し、残り2ラウンドは完全に消化試合ということになりますが、来季に向けた動きも活発化してきているので、残り2ラウンドも注目していきましょう。今回は10月9日(金)〜11日(日)に開催される第10戦・エストリルのレースプレビューをお届けしましょう。

ポルトガルのエストリルは首都リスボンの西に位置するビーチリゾート、カシュカイスの山側にある1周4.2kmのサーキットです。かつてはF1ポルトガルGPやMotoGPポルトガルGPを開催してきたコースとして知られるクラシックなサーキットです。WSBKの開催はコロナ禍の時代に復活。2023年だけは開催が無かったものの、2024年からまたシーズン終盤のイベントとして開催されるようになりました。来シーズンもヨーロッパラウンド最後の第11戦として設定されています。

この2年間はニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)とトプラク・ラズガットリオグル(当時BMW)が優勝を分け合っており、ブレガがまだ3連勝を達成できていないサーキットです。昨年まで最大のライバルだったトプラクのいない今季は連勝を続けてきたブレガですが、同じドゥカティのファクトリーマシンを走らせるライバルを相手にエストリルでも最後まで手綱を緩めることはないでしょう。

シーズン開幕前からブレガとドゥカティの好調ぶりが伝えられていましたが、シーズンが進むと始まったブレガの圧勝劇。チャンピオンシップとしては面白みに欠けるシーズンになってしまいましたが、チームメイトのイケル・レクオーナ(ドゥカティ)のプレッシャーは常に大きかった中での連勝でした。トプラクが居ないシーズンでしたが、ブレガが刻んだ決勝のラップタイムペースが昨年を上回っていることからも分かる通り、今年はブレガがおのれに打ち勝って掴んだチャンピオンといえるでしょう。

やはり来季からMotoGPのシートをオファーされたことは単にドゥカティからのご褒美というよりは、彼の実力を高く評価してのことでしょう。ブレガも自分のスキルアップ、ペースアップをテーマに取り組んできたはずです。来季からバレンティーノ・ロッシがチームオーナーを務めるVR46レーシングチームからMotoGPに参戦するブレガ。その空いたドゥカティワークスチームのシートにはVR46で今季もMotoGPを闘っていたフランコ・モルビデリの起用が決まりました。結果的に両者のトレードによるカテゴリースイッチという形になりましたね。

フランコ・モルビデリはMotoGPで3勝を記録したライダー。2020年には年間ランキング2位を獲得し、VR46でドゥカティに移籍した昨年は2度の表彰台でランキング7位につける活躍を見せました。今季も型落ちモデルの体制でのチャレンジとなりましたが、最高位8位のシングルフィニッシュ1回のみとドゥカティライダーの中では最も低迷する形になりました。

モルビデリとしては不本意なカテゴリーチェンジになるようにも思えますが、ドゥカティのMotoGPライダーがそのままMotoGPにスライドしてくるケースは珍しく、2019年のパニガーレV4Rのデビューイヤーとなったアルバロ・バウディスタ以来のことです。WSBKとしても、フランコ・モルビデリの参戦は非常に魅力的なことですし、逆にいうと今年の快進撃を考えると、モルビデリ以上の選択肢が無いともいえるでしょう。

これで来季のWSBKにはフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)、ミゲール・オリベイラ(BMW)、ブラッド・ビンダー(BMW)、そしてジャック・ミラー(ヤマハ)という4人のMotoGPウイナーが揃うことになり、さらにハイレベルなシーズンになりそうです。

これは来季からWSBKのタイヤが「ミシュラン」のワンメイクに変更されることも影響していると考えられます。彼らはMotoGPでミシュランタイヤを履いてレースをしてきた、さらに優勝を経験したライダーたちであり、彼らのミシュランタイヤに対する知見は必ず武器になるでしょう。逆にいうと、「ピレリ」のコントロールタイヤになるMotoGPに、ピレリのレースで圧倒的な強さを見せたニッコロ・ブレガが転向するのは自然の流れなのかもしれません。

WSBKでもタイヤが変わり、勢力図が一変する可能性のある2027年シーズンは大きなチャンスでもあるのです。ライダーとして逆転を狙うにはまずはWSBKのパドックに残ることが重要です。プライベートチームは来季誰を走らせるかをまだ決めていないチームも多くあり、ドゥカティもMGM、MotoCorsa、GoElevenの3チームがライダー未決定。残るシートをかけた闘いに向けて、ライダーたちのアピールは続きます。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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