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モータースポーツ コラム 2026年10月1日

富士6時間レース トヨタが大逆転勝利!

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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表彰台に立つ8号車トヨタTR010ハイブリッドのドライバーたち

FIA 世界耐久選手権(WEC) 2026 第6戦 富士6時間耐久レースをご視聴いただき、ありがとうございました。

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最終盤まで優勝するのはトヨタではなくスタートからリードしていたアルピーヌだと思っていました。しかし、勝利の女神は最後にトヨタに微笑んだのです。

スタート直後の1コーナーでGT3クラスの中段グループにいた2台がスピンして数台が接触するという混乱の幕開け。これで最初のセーフティカー(SC)が導入されて4周後にレースは再開。その後もフルコースイエロー(FCY)、SC、バーチャルセーフティカー(VSC)などが繰り返されて、レース内容としては、トップを走るアルピーヌの2台の快走以外は、先行きが見えない混沌としたものとなっていた。

そして、ゴールまで1時間を切ったところで、ストレートエンド付近でGT3クラスの2台が接触、弾かれた1台がアウト側のバリアに突っ込むというアクシデントが起きた。再びSCが導入され、この時点で走行中の各マシンが給油のタイミングを迎えていたため全車がピットインして給油。その後、SCラン中のコースへ戻っていった。

表彰台圏外だった8号車トヨタTR010ハイブリッドは、最後のピットインではタイヤ交換を行わず、給油量も抑えてピットアウトし、トップでレースに復帰した。

クラッシュしたマシンによって破損したガードレールの修復には、20分以上の時間を要した。時刻午後4時39分、レースコントロールが『Safety Car in this lap』をアナウンスした。

SCがピットへ戻り、レースが再開された時点で、8号車の後方には15号車BMW MハイブリッドV8が続き、その背後には36号車アルピーヌA424がいた。ゴールまでの約20分間のスプリントレースがそこから始まった。

最速ではなかったものの、安定したペースと戦略でゴールを目指したトヨタには、運も味方した。富士スピードウェイのAピットで、ピット位置が一番端(1コーナー側)だったこともその一つだ。

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ピット位置からは、GT3クラスのマシンがアクシデントを起こした場所や、ガードレールの破損程度、修復作業の状況を、ライバルチームよりも把握しやすかった。これによって修復に要する時間を予測し、レース再開後、ゴールまでに必要な燃料の量を計算した。その結果、ライバルよりも少ない給油量でピットアウトした。

最後のステアリングを任された平川亮選手の走りは素晴らしかった。終盤に速いペースを見せたアルピーヌがBMWを抜いて迫ってきたが、平川選手は動じず、0.591秒差で栄光のゴールラインを切った。

表彰台に上がった際には、珍しく拳を突き上げて喜びを爆発させる姿があった。その後に行われたトヨタレーシングの日本メディア向け記者会見では、「GT3クラスとの絡みをうまく処理できれば抜かれることはないと思っていました」と淡々と語る、いつものポーカーフェイスを崩さない勝者の姿があった。

トヨタ、おめでとうございました。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会会長。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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