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モータースポーツ コラム 2026年4月3日

プレリュードGT登場に注目が集まれど、現状ではGR Supra一歩リードか|2026SUPER GT公式テストレビュー

SUPER GT by 吉田 知弘
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前人未到の4連覇を狙う36号車 au TOM’S GR Supra

2026年も4月に開幕を迎えるSUPER GT。今年もシーズン前に岡山国際サーキットと富士スピードウェイで2度にわたって公式テストが行われた。

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いつもなら3月上旬に岡山テスト、同月下旬に富士テストが実施されるが、今年はF1日本GPが昨年よりも1週間前倒しの3月27日~29日に行われたことも影響して、今年は2週連続に開催となった。

毎年、タイヤテストを中心にシーズン中には試すことのできないメニューをこなすことが多く、テストでの順位もあまり参考になることが少ない。それでも今年は特にGT500クラスでは顕著な結果が出ており、前年王者のau TOM’S GR Supra坪井翔山下健太)がテストからトップタイムを記録していた。

昨シーズンは年間4勝を挙げる圧倒的な強さで3年連続のチャンピオンに輝いたau TOM’S。一見すると順風満帆だったかのように見えた2025年シーズンだったが、シーズンオフのファン感謝イベントに出席した際、2人は囲み取材でこんなことを話していた。

「2025年は今までの経験があったのにも関わらず、間違った選択をしたことがいくつかありました。それが原因で流れを悪くしたこともありました。(2026年は)そういう間違えをなくしていきたいです。チーム全体でもうちょっと気づけたところもあったと思うので、もし自分が気付いたとしたら、そういうのを率先して(発言するなど)やっていくことで、そういう間違いは少なくなるのかなと思うので、いつも以上に気にしながらやりたいなと思っています」(山下)

「判断ミスをしたことがたくさんあって、正直(2025年は)順風満帆ではなかったなと。まずは自分たちがやるべきことを2026年はやらないといけないなと感じでいます」(坪井)

山下健太(左)、 坪井翔(右)

2025年から伊藤大晴エンジニアがトラック担当となり、2023年・2024年の36号車トラック担当だった吉武聡エンジニアがチーフエンジニアとなり、36号車側の全体を見ることとなった。結果的にはライバルに15ポイント以上の差をつけてチャンピオンに輝いたが、その裏側では反省点も少なくなかった様子。

それでも、オフの間にしっかりと振り返りをして対策を練って今シーズンへ。ゼッケンもチャンピオンナンバーを選ばず『初心に戻る』ために36番に戻した。

まさに「勝って奢らず負けて腐らず」。TOM’Sの舘信秀会長が常々口にしている言葉だ。それがチーム全体にも伝わっており、チャンピオンであることに満足せずに、自分たちの足りないところを分析し続けている。

そのひとつの成果が、ある意味で今季のシーズン前テストで出たのかも知れない。岡山テストでは2日共にトップタイムを記録。富士テストも初日はトップで、2日目は#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTにトップを奪われたが、それでも僅差で2番手タイムを記録と、高い安定感をみせている。

「トップタイムだったのはトラフィックの影響が大きく、それで僕たちは良いところを走れていただけ」と坪井は語るが、彼らの表情をみていると着々と2026年シーズンに向けて準備が進んでいる模様。山下も「昨年の公式テストはバタバタした感じはありましたけど、今年はそんなことはない」と、昨年から始まった伊藤エンジニアを中心とする体制が徐々にまとまっている模様だ。

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【注目のプレリュードGTは“追う立場”】

注目を集めるHonda プレリュードGT

今年も公式テストからGR Supra勢が一歩リードという雰囲気がある中、注目を集めているのがホンダの新型マシンであるプレリュードGT。冬のテストで精力的に周回を重ねて準備を進めているが、現状では“追う側”の立場であるところは否めないようだ。

「ライバル勢が非常に強力というところで、そこに対して確実に上回れるレベルには到達できていない状況かなというふうに認識しています。新しいクルマが持っているポテンシャルを引き出すという部分については、まだ伸び代があると考えておりますので、レース本番で活躍できるようなマシンにできるように、開発を進めていきます」

そう語るのは、HRC4輪レースLPLを務める徃西友宏氏。昨年までの反省点を踏まえ、今年は新たに“テクニカルディレクター”というポジションを設け、長谷川彰大氏がその役割を担う。

主にホンダ系5チームから上がってくるフィードバックを現場で集約し、結果につなげていく。おそらくここが機能してくるのはレースウィークなど開幕してから。シーズンが始まる前にエアロパーツのホモロゲーション登録をしなければいけないため、主にタイヤ選択とマシンセットアップでパフォーマンスを上げていくことになる。そこで長谷川テクニカルディレクターの腕の見せどころとなっていきそうだ。

ラップタイムで見るとライバルを上回るほどの勢いは少ないが、一部では「コーナーが速い」という話も聞こえてくる。この強みがシーズン中どう生きてくるのか、楽しみなところだ。

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【3台になる日産勢。伏兵はブリヂストンにスイッチした24号車か】

24号車リアライズコーポレーションZ

今季の日産勢は、3台体制での参戦となる。23号車MOTUL Niterra Z12号車TRS IMPUL with SDG Zに体制変更はないが、24号車リアライズコーポレーションZ三宅淳詞が加入し、タイヤもブリヂストンに変更となった。

新しいパッケージということで、公式テストは手探り状態になるかと思われたが、実際にはその逆。特に富士テストでは上位に食い込むタイムを連発していた。岡山テストでは2日目午後のセッション4で2番手タイムを記録したほか、富士テストでも好タイムを記録していた。

さらに12号車も岡山テストでは上位につけるなど、今年は手強い存在になりそうな雰囲気もある。何より、陣営の3台ともがブリヂストンタイヤを履くことになり、情報共有もしやすくなるという点がメリットのひとつ。開幕戦から注目の存在となりそうだ。

いよいよ4月11日に開幕する2026SUPER GTシリーズ。GT500クラスは36号車が史上初の4連覇を成し遂げるのか。それに待ったをかけるライバルが現れるのか。大注目のシーズンの予感だ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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