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モーター スポーツ コラム 2020年6月26日

富士公式テストプレビュー|富士を制するものは、2020シーズンのSUPER GTを制する?

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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さらに、前述の通りサーキットに入れるチームスタッフの人数も厳しく制限されており、通常の体制から見直しをする必要がある模様。いくつかのチーム関係者に話を聞いても、特にレースウィークのマシンに対する対応をしていく上で、この人数制限がかなりネックになっているようだ。今回のテストでは人数制限が設けられた形でのオペレーションの確認にもなるだろう。

各チーム前例がない体制で臨まなければならないだけにオペレーションに苦慮することが想定される。(写真は3月の岡山テスト)

またSUPER GTといえば、複数のタイヤメーカーが参入しており、今回のようなテストでは「タイヤテスト」も重要な項目のひとつ。特に今年は新型コロナウイルスの影響で開催時期が遅れてしまった関係で、3月の岡山テストでのデータも役に立たない可能性が高く、この2日間という限られた時間で変則日程に合わせたタイヤ選びをやらなければならない。特にGT500クラスは今季から全メーカーが新型車を導入するのだが、こちらも新型コロナウイルスの影響で十分にテストをこなせておらず、マシンのセットアップも“まだまだ”という声が大半だ。そういう意味でも、この2日間は実戦へのリハビリも兼ねつつ、消化しなけないテストメニューが山のようにある……というのが各チームの現状のようだ。

FRレイアウトとなったNSX。岡山テストでトップタイムをマークしたKEIHIN NSX-GTに注目が集まる。

そして今シーズンを占う上で、この富士公式テストの結果というのは例年以上に参考になるかもしれない。当初は国内6戦、海外2戦で行われる予定だった2020シーズンだが、大会関係者らの感染リスクを減らすために、国内の開催地は各チームが公共交通機関を使わずに移動できる富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎに限定。海外ラウンドも開催に向けて調整が進められたが、渡航制限等があり先行きが不透明な状況ということもあり、現地プロモーターと協議した結果、マレーシア大会、タイ大会ともに2020年の開催は見送られることになった。

これにより、今シーズンは富士スピードウェイで全体の半分にあたる4戦が開催されることになった。ここに関しては仕方がないことではあるが、逆に言えば「富士に強いマシン・タイヤ」を用意することができれば、少なからずシーズンを優位に進めていくことができるだろう。

富士に強いマシンが有利となるのか、状況も異なるだけに蓋を開けるまで分からない。

その点でGT500クラスもGT300クラスも、現時点でどこが有力かは分からない状況だが、2日間全4セッションの結果や各チームの状況を見ていくことで、勢力図が少しは垣間見えてくるかもしれない。そういう意味でも、見逃すことのできない2日間のテストとなりそうだ。

繰り返しとなるが、2020シーズンは新型コロナウイルスの影響でモータースポーツの開催もストップしてしまった。一時は今後の見通しが立たない状態で不安になったファンも多かっただろう。それでも関係者のレース開催に向け尽力した。特にシリーズを運営するGTアソシエイションは大会関係者から感染者を出さないように、そして安全かつ円滑にレースができるようにと感染防止に向けたロードマップを策定。様々なハードルを乗り越え、ようやく開幕にこぎつけることができた。

「早くレースをしたい」という声がドライバーたちからも聞こえてくるが、同じようにSUPER GTを応援するファンの皆さんも「早くレースが観たい」という気持ちは日に日に強くなっているに違いない。

ひとまず今週末はテストという形ではあるが、それが叶う時が刻々と迫ってきている。セッション1の開始予定時刻である6月27日(土)午前10時……SUPER GTのエンジンサウンドが響き渡る瞬間が、楽しみで仕方がない。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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