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モーター スポーツ コラム 2019年10月11日

【スーパースポーツ世界選手権 第11戦アルゼンチン】王者争いの2人が揃って転倒、依然10点差

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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大久保光

「スーパースポーツ世界選手権」第11戦はアルゼンチンのサーキット・サンファン・ビリクムで開催。2戦を残してチャンピオン争いも激しくなってきています。ヨーロッパから南米に移動してのフライアウェイ戦となるアルゼンチンラウンドは10月11日(金)〜13日(日)に行われます。第10戦の模様は「J SPORTS」で10月13日(日)深夜に生放送で楽しめます。

残り3戦で迎えたフランス、マニクールは大波乱のレースとなりました。ウェットコンディションで進んだレースウィークに翻弄され、ドライになった決勝はスタート直後に多重クラッシュで赤旗中断に。そして、再開されたレースでは1周目からポイントリーダーのランディ・クルメナッハー(ヤマハ)が転倒。チャンピオンシップの流れは一気にフェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)に傾くかと思った矢先、なんとカリカスロまで転倒。これで両者ともにリタイア=獲得0点に終わり、ランキング首位のランディ・クルメナッハー(ヤマハ)とランキング2位のフェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)の差は10点のまま残り2戦となりました。

まさかまさかの展開になったフランスのレースを経て、残り2戦はアルゼンチン、カタールとフライアウェイ戦で行われるレースとなり、さらなる波乱が起きそうな予感です。そして2人の転倒に助けられる形にはなりましたが、バトルを制したのは2017年の王者、ルーカス・マヒアス(カワサキ)でした。

今季よりカワサキに電撃移籍したマヒアスは第7戦・ミサノから連続表彰台を続けてきましたが、ついに優勝。ここ最近、ヤマハの独壇場だった「スーパースポーツ世界選手権」で久しぶりにカワサキが勝ちました。カワサキの優勝はケナン・ソフォーグルが2017年の第9戦ポルトガルで勝って以来、およそ2年ぶりのこと。しかもマヒアスの母国フランスでの勝利だっただけに、マニクールサーキットは大いに盛り上がりました。

ついにマヒアスは勝ったとはいえ、ルーカス・マヒアス(カワサキ)はすでに王者争いからは脱落。チャンピオンの権利があるのはランディ・クルメナッハー(ヤマハ)=193点、フェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)=183点、そして3位のジュール・クルーゼル(ヤマハ)=155点の3人。クルーゼルはフランスで6位フィニッシュとなり、辛うじてチャンピオン争いにとどまりましたが、現実的にはヤマハYZF−R6を走らせる「Evan Bros. World SSP Team」の2人、クルメナッハーvsカリカスロのチャンピオン争いになるといったところでしょう。

昨年初開催となったアルゼンチン、サーキット・サンファン・ビリクムのレース。昨年はルーカス・マヒアス(当時ヤマハ、現カワサキ)がポールポジションを獲得し、ジュール・クルーゼル(ヤマハ)がシーズン4勝目を飾りました。昨年のアルゼンチンでランディ・クルメナッハーは6位、フェデリコ・カリカスロはリタイアに終わっています。カワサキでの初優勝でマヒアスが勢いに乗った印象ですが、果たして今回のアルゼンチンのレースはどうなるでしょうか。

チームメイトに先に優勝をさらわれた大久保光(カワサキ)はフランスで表彰台も見えたレースを展開して5位フィニッシュ。素晴らしい走りで、ランキング5位をキープすることになりました。実は大久保は昨年のアルゼンチンでシーズンベスト8位フィニッシュを果たしており、大久保にとっては非常に期待の持てるサーキットということになります。ランキング6位のラファエル・デローサ(MVアグスタ)との差は11点に縮まりましたが、残り2戦でこの差をキープできればいよいよ日本人最上位ランキングも見えてきます。是非とも表彰台で最終戦までにマージンを広げて欲しいところです。

フランスで2位に入ったのは今季から「スーパースポーツ世界選手権」に転向してきたイザック・ビニャーレス(ヤマハ)。そして3位はアイルトン・バドビーニ(カワサキ)が入るといういつもと違う顔ぶれになりました。特にバドビーニは2016年以来の3位表彰台ということで、荒れた展開の中で見事にチャンスを掴むあたりはスーパーバイク世界選手権の経験も長いベテランといったところですね。

さて、まさかの両者転倒となった「Evan Bros. World SSP Team」の2人、クルメナッハーとカリカスロのどちらがアルゼンチンで高得点を得られるかが、最終戦カタールに向けての大きな鍵です。緊張感あふれるクライマックスに向けて、アルゼンチンもまた荒れたレースになるのでしょうか。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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