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川口遼己と大沢悠真の葛藤と歓喜。激しい競争がもたらした前年王者の開幕勝利『高円宮杯プレミアリーグEAST 市立船橋高校×青森山田高校マッチレビュー』
土屋雅史コラム by 土屋 雅史青森山田が掲げ続けている『1本中の1本』を体現するようなスーペルゴラッソ。「メチャメチャ嬉しかったです」と満面の笑みを浮かべた13番に対し、指揮官はその起用法についてこう話している。「プレミアにはあのラストの苦しい時間が出てくるわけで、去年の後藤礼智みたいにそこで変化を付けられるのが大沢だったので、遼己をスタメンで出して、大沢をあえてサブにしたら、その2枚で点を獲ってくれたのでビックリです。迷采配、的中です(笑)」
始まったばかりのシーズンに向けて、大沢が語った抱負も力強い。「ゴールは嬉しかったんですけど、まだあまり実感がないですね。でも、これからはこういう相手とやっていくことになるので、同じ高校生ですし、リスペクトはしながらも、し過ぎないで、自分たちは春も全然結果が出ていなくて、悔しい想いをしてきましたけど、ここから勝てばいいだけの話なので、三冠を目標に1試合1試合やっていきたいです」。
正木監督も、この日の勝利について印象的な言葉を残している。「この春の遠征の1か月間で本当に彼らはたぶん『オレら、大丈夫かな?』という不安の中で戦っていたので、やっぱり試合前と試合後で顔つきが全然変わっている感じもしますね。今年は『オマエたちは雑草だ』と言っているので、雑草魂でやりたいですし、不安と戦っていた部分で言うと、この勝ちは自信に繋がるので大きいかなと思います。今年はずっと言っているように競争なので、調子の良いヤツを使えばいいなと。いつまでこの直感が続くかな(笑)」
川口が、大沢が、そして彼らに続こうとする選手たちが、またいつものグラウンドで激しくシビアな競争の中に身を投じていく。やはり青森山田は、青森山田。2024年シーズンもこのチームはきっと、並大抵の覚悟なんかでは倒せない。
青森山田高校は川口遼己(23番)のゴールで貴重な先制点を挙げる!
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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