人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2024年1月29日

高校年代二冠を獲得した常勝軍団のしなやかなリーダー。山本虎が新たに提示した『青森山田のキャプテン』像 【NEXT TEENS FILE.】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
  • Line

試合終盤。どんどん時間がなくなっていく中でも、最終ラインに立つ4番のキャプテンは至って冷静だった。もちろん周囲へは過不足なく声も掛けつつ、必要以上に仲間を焚きつけることもなく、自分のやるべきことを丁寧に、的確に、こなしていく。その雰囲気がおそらくチームメイトにいつも通りの安心感を与えていたことは想像に難くない。それはきっと山本が1年を掛けて辿り着いた、新たな『青森山田のキャプテン』像だったのではないだろうか。

1月8日。国立競技場。山本は二冠目となる“日本一のカップ”を掲げていた。高校選手権決勝。近江高との試合も先制しながら、後半に入って追い付かれる展開に持ち込まれるも、キャプテンにもチームにも、焦りの色は浮かんでいなかった。

「たぶんプレミアのチームよりも強い相手は絶対にいないと思うので、今日も失点してからは冷静でいられましたね。近江も良いチームでしたけど、プレミアで対戦したフロンターレだったり、尚志やレイソル、サンフレッチェよりは強くないというのはわかっていたので、そういう強い相手とやってきたからこそ、今日も自信を持ってやってこれたのかなと思います」(山本)。

1年間を掛けて強敵たちと肌を合わせ、勝利も敗北も、歓喜も悔恨も、成長も停滞も、あらゆることを体感してきたプレミアリーグでの経験は、気付けばそこで戦ってきた彼らも驚くほどに、自分たちを成長させてくれていたのだろう。

前述した昨年3月に、山本が話していた言葉を思い出す。「2年前は(松木)玖生さんがキャプテンでしたけど、練習から玖生さんにも(宇野)禅斗さんや(藤森)颯太さんがダメな時はダメと言っていましたし、そういうのを許さない集団が強くなると思っていたので、自分たちの代も王様はいらないんです」

『王様はいらない』というフレーズに、この男の描くリーダー像が顔を覗かせる。大声を張り上げて、チームを鼓舞し続けるようなタイプではない。強烈なキャプテンシーで、仲間を牽引するようなタイプでもない。だが、結局はこの男の束ねるグループは、鉄の結束を高め合い、圧倒的な熱量を纏っていった。

新たな『青森山田のキャプテン』像を築いた山本虎の存在は、堂々と二冠を達成した2023年の青森山田にとっては、絶対に必要不可欠だったのだ。

プレミアリーグファイナルの表彰式。山本が日本一のカップを掲げる!

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ