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サッカー フットサル コラム 2023年12月26日

マンチェスター・ユナイテッドが久保建英獲得に乗り出す!? 移籍するためのポイント4つ

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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久保建英

いずれ久保建英はソシエダを出て行く

数日前、「マンチェスター・ユナイテッド、久保獲得に乗り出す」なんてニュースが飛び込んできた。イギリスの大衆紙発のニュースで当てにはならないのだが、スペインでの反応に興味深いものがあった。

いずれ久保建英はソシエダを出て行く。彼の成長を前提とするならそれは必然だ。久保の将来の移籍のためにいくつか論点を整理しておきたい。

①久保とレアル・マドリーの関係について
久保の移籍は第一に本人の意志、第二にソシエダの意向で決まる。レアル・マドリーは移籍金の一部を受け取る権利はあるが、移籍の決定権はない。

②久保の値段について
ソシエダは移籍解除金を6000万ユーロ(約93億円)に設定している。移籍解除金というのは契約が満了(久保の場合は27年)する前に売るなら、この値段という目安である。よってマンチェスター・ユナイテッドが6000万ユーロを出す用意があるなら、ソシエダは交渉の席に着く可能性は十分ある。

もっとも、レアル・マドリーが移籍による利益(マンチェスターUが払う移籍金6000万ユーロ-ソシエダが払った移籍金650万ユーロ)の半分を持っていくので、ソシエダの手元には2700万ユーロしか残らない。

2700万で久保と同等の選手が買えるか?となると難しいところで、私がソシエダフロントなら今季終了前に契約更新をして、移籍解除金(=移籍金の目安)を引き上げる。そうして来夏の移籍市場でより高値で売れる準備をする。この冬は売らない。

③アントニーが交換トレード要員になるなら
先の報道によれば、マンチェスターUはアントニーを久保との交換トレード要員にする考えがあるようだ。そうなると話は違ってくる。もし6000万ユーロ+アントニーならソシエダは迷いなく久保を売るだろう。もっと安くても売る。

今季は不調にあえいでいるが、アントニーは22年夏に9800万ユーロの値が付いた選手である。

環境が変われば選手は変わる。それはソシエダに入ってからの久保、ヘタフェでの今のグリーンウッドを見ればわかる。グリーンウッドは女性とのトラブルでマンチェスターUで居場所を失ったが、新天地で復活(6ゴール4アシスト)した。同じトラブルでつまずいたアントニーとも共通点がある。

よって、アントニー込みなら久保放出もある。

④久保のマンチェスターU行きのメリット、デメリット
CL決勝トーナメントに進出しパリ・サンジェルマン戦を控えるソシエダと、同グループステージ最下位敗退でELにも行けなかったマンチェスターU。今季の状態ならソシエダの方が上で、久保にも残留のメリットが出てくる。ファンとチームメイト、フロントの全面的なバックアップを受け、将来的にもソシエダなら久保が活躍できる場を用意してくれると思う。

しかし、世界最大のファン数を抱え国内外で輝かしい実績を持つマンチェスターUとは比較にならない。例えば、将来もCLに継続的に出たいならソシエダではなくマンチェスターU。そこには疑問の余地がない。

久保の格も上がる。スペインのスターから世界のスターになれるかもしれないし、年俸の相場も別格となり今後少々の不調でも下がることはないはずだ。

もちろん、プレミアリーグの激しいサッカーへの適応に苦労するかもしれないし、マンチェスターUの不安定さを考えると理想的な監督に出会えるとも限らないのだが……。

以上①から④まで、今回はマンチェスターU行きの話としたが、基本的にはどのクラブへ行くにしても考え方は同じ。

久保の成長はスペインで見守る私としてはうれしいが、それは別れが近づいているという意味でもある。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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