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サッカー フットサル コラム 2023年12月12日

緑のスタンドが作り出した圧倒的ホーム感。部員全員で引き寄せた青森山田のプレミア制覇! 高円宮杯プレミアリーグファイナル 青森山田高校×サンフレッチェ広島ユースマッチレビュー

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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9番を背負ったストライカーは、なかなか結果に恵まれないシーズンを送っていた。番号が表すようにエースとしての役割を期待されながら、ケガに見舞われることも少なくなく、気付けばベンチから出場を窺う立ち位置に。プレミアでは1ゴールしか挙げられず、悔しい感情を抱えながら、それでもメンタルを何とか保って、ここまで前を向き続けてきた。

そんな男が決めた超劇的な決勝ゴール。歓喜のダッシュを見せた津島の辿った“ルート”に、彼の想いが凝縮されている。「ベンチのみんなが駆け寄ってくれたので、まずは喜びを分かち合って、あとは昨日の夜からバスで遠い中を来てくれたスタンドの仲間たちがいたので、そこに行って喜びました」。

決勝ゴールを挙げた青森山田・津島巧

試合に出られない悔しさは、嫌というほど味わった。だからこそ、夜中に出発したバスに乗り込み、青森から10時間近い時間を掛けて埼玉まで駆け付け、必死に声援を送り続けてくれたチームメイトたちの心の内は、誰よりも自分がよくわかっている。緑の大応援団から発せられた喜びの咆哮が、スタンドに走り寄ってきた9番の頭上に心地良く降り注いだ。

アップエリアにいた関口は、試合が終わってしばらくしても涙が止まらない。優勝の瞬間にピッチへと飛び出していった谷川の表情には、笑顔があふれている。試合の登録メンバー18人での記念撮影がいったん終わると、彼らも含めた5人のサポートメンバーも呼び込まれ、その数は23人にまで増える。

「かなり苦しいゲームでしたけれども、我慢していればいいことがあるということで、失点した後も決して諦めることなく頑張ってくれた選手たちの、逞しさと諦めない気持ちには私自身も本当に感謝していますし、その結果が優勝ということで、本当に良かったと思います」。就任1年目でプレミア制覇を達成した正木昌宣監督が胸を張る。

ピッチの選手も、ベンチの選手も、スタンドの選手も、それこそコーチングスタッフも、全員で築き上げてきた一体感を信じ、最後まで勝利を諦めなかった青森山田は、やはりどのチームよりも強かった。

 

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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