マンチェスター・ダービーを緩くプレビューしてみた

昨シーズンのマンチェスター・ダービーは1勝1敗。だが、試合内容ではシティが上まわった

「四つも負けているのに、チャンピオンズリーグ圏内までたったの5ポイントじゃーん」

強がってみる。

「少なくとも三回はPKをとってもらえなかったしなぁ。レフェリーのいけず」

責任転嫁してみる。

近ごろの週末はストレスの連続だ。酒が足りない。ハーフタイムになったら近くのコンビニまでスプリントする。濃い目のハイボールを買った後、自宅までまたしてもスプリントだ。からだが重くなり、試合が進むにつれて憂うつになる。

おおっ、今週末はマンチェスター・ダービーじゃないか。アーロン・ワン＝ビサカ、ルーク・ショー、リサンドロ・マルティネスはまだリハビリ中だ。まさか前節のシェフィールド・ユナイテッド戦のように、機動力のないタイプを3人も起用しないだろうな。

右からディオゴ・ダロト、ラファエウ・ヴァラン、ハリー・マグワイア（ヴィクトル・リンデレフ）、セルヒオ・レギロンを並べるしかない。

でも、マグワイアはどうかなぁ。シェフィールド・U戦でマン・オブ・ザ・マッチに輝き、チャンピオンズリーグのコペンハーゲン戦でも貴重なゴールを決めたとはいえ、スピードがなく、判断も鈍いセンターバックではマンチェスター・シティの多彩なアタックに振りまわされるぞ。

まぁ、L・マルティネスがいないセンターバックは、だれが出てきても不安なんだけどさ。

ちなみに、シェフィールド・U戦のマン・オブ・ザ・マッチはアンドレ・オナナじゃないかな。4点は防いでいるよ。

中盤はソフィアン・アムラバトがロドリの潰し役に徹し、もうひとりはクリスティアン・エリクセンかな。彼がいないと攻撃のリズムが生まれないっしょ。コペンハーゲン戦（前出）でもマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたね。

その一方で、ボールコントロールが雑すぎるスコット・マクトミネイは、シティのプレスに我を失いかねない。2試合連続の不用意なPK献上も、大きな大きなマイナス材料だ。

足首を痛めているカゼミロは様子を見てみよう。一対一に脆かったり、ポゼッションを簡単に失ったり、パス成功率もデクラン・ライス（アーセナル）の95％に対して83％。今シーズンのデータも芳しくないからね。

二列目はブルーノ・フェルナンデスが鉄板で、右はアントニーかメイソン・マイウント。左はマーカス・ラシュフォード、もしくはアレハンドロ・ガルナチョだな。アントニーもマウントもなかなか調子が上向かない。ラシュフォードはかなり緩やかな上昇曲線を描いているけれど、本調子にはほど遠い。

思い切って右にファクンド・ペリストリ、左がガルナチョも悪くないな。ふたりの若者は、トランジションに忠実だ。

そして前線は、プレミアリーグ初ゴールの匂いが確実に漂いはじめたラスムス・ホイルンドだな。ルベン・ディアスやジョン・ストーンズなど、シティが誇る強力DFを相手にどこまでやれるか。期待と不安が入り交じっておりやす。

では最後に、両チームの主なスタッツ（9節終了時点）をおさらいしておこう。

【ゴール数】
ユナイテッド：11点
シティ：19点

【枠内シュート数】
ユナイテッド：45本
シティ：60本

【パス総数】
ユナイテッド：4719本
シティ：5866本

【パス精度】
ユナイテッド：85％
シティ：：90％

【失点数】
ユナイテッド：13点
シティ：7点

【総合成績】
ユナイテッド：5勝4敗
シティ：7勝2敗

直近5シーズンのマンチェスター・ダービーも4勝1分9敗、15得点・27失点。ユナイテッドは分が悪すぎる。

まだ呑んでいないのに、気が遠くなってきた……。

文：粕谷秀樹