チーム力を維持するための必須条件は段階的な世代交代だ

記者会見でユルゲン・クロップ監督の熱意を明かしたハンガリー代表MFには、ジェラードの背番号8が託された。期待の証である。

さらにカーティス・ジョーンズ、ステファン・バイチェティッチ、ハーヴィー・エリオットといった若手にはさらなる成長が見込まれ、2シーズン目を迎えるコーディ・ガクポとダルウィン・ヌニェスは、昨シーズン以上の活躍が期待できる。“大エース” モハメド・サラーは健在だ。

創造と破壊を繰り返しながら組織は成長し、チーム力を維持するためには段階的な世代交代が必須だ。その過程でフィルミーノ、ヘンダーソン、ミルナー、ファビーニョなど、ベテランの退団は総計4160万ポンド（約76億1280万円）もの年俸抑制にもつながる。悪いことばかりではない。

完成度をふまえると、マンチェスター・シティやアーセナルに互角の勝負を挑むのは難しい。しかし、経験豊富な実力者と勝利に飢えた若者たちのハングリー精神が “ヘヴィメタル” を奏でる。リヴァプールにとって、チャンピオンズリーグ出場権奪還は極めて現実的なターゲットだ。

文：粕谷秀樹