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サッカー フットサル コラム 2023年7月11日

U-21欧州選手権 39年ぶりにイングランドが優勝、スペインは準優勝

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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U-21欧州選手権 優勝はイングランド代表

U-21欧州選手権 優勝はイングランド代表

先週末、U-21欧州選手権の決勝が行われ、イングランドが39年ぶりの優勝を飾り、スペインは残念ながら準優勝に終わった。後半ロスタイムのPKを決めていれば延長戦に持ち込めたのだが、内容的にはイングランドの方が上だったので、まあ順当な結果だと言える。技術の高いスペインのポゼッション対フィジカル優位のイングランドのカウンター、という構図はお馴染みのもので、勝つ時も負ける時もある。アンダー世代は育成という意味が大きいので、結果は二の次。欧州の中で依然スペインが育成強国であることを証明できたことが重要だった。

スペインは近年この大会で圧倒的な強さを誇っている。優勝5回はイタリアと並んで最多だが、イタリアは90年代に4度優勝後、02-04大会を最後に勝てていない。一方、スペインは09-11大会以降3度優勝し2度決勝に進んでいて、準優勝4回は最多。新世紀は「スペインの時代」だと言っていい。

とはいえ、不安がないわけではない。

それが選手の小粒化だ。

今回の準優勝チームの決勝スターティングメンバーにはトップリーグのレギュラー級(プレー時間2000分以上)が3人しかいなかった。うち2人はトップ・オブ・トップとは言い難いポルトガルリーグに参戦中で、2部と3部に参戦中の選手もそれぞれ1人ずついた。11-13大会の決勝スタメンの5人、15-17大会は同9人、17-19大会は同4人がトップリーグのレギュラー級で、下部リーグ参戦中の選手はゼロだった。

もう一つ、小粒化を象徴するのが、今大会決勝スタメン中3強(レアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリー)のトップチーム所属選手がゼロだったこと。

11-13は6人、15-17と17-19は2人ずついた。特に、11-13の決勝に4人(テージョ、チアゴ、バルトラ、モントージャ)を送り込んだ後は3大会連続でゼロに終わったバルセロナの衰退が目立つが、レアル・マドリー(0→1→2→0)とアトレティコ・マドリー(2→1→0→0)も傾向は変わらない。

下部組織出身の若手が3強でレギュラー入りするのは不可能に近くなっている。

今回の決勝スタメンのうちFWのアベルはバルセロナ出身で今はブラガ所属、GKテナスはトップチームに枠がなくバルセロナBから契約解除されたばかりで、MFのブランコはレアル・マドリーから2部のアラベスへレンタル中だった。ここ数年のU-21は、こうしたトップチームに上がれない3強育ち+伝統のアスレティック・ビルバオ+近年育成に力を入れるソシエダ、ビジャレアル、ベティス、セルタなどの出身者で構成されている。

もっとも、バルセロナは依然としてタレントの宝庫で、アンス・ファティ、ガビとバルデは飛び級でフル代表入りしていなければ、今頃はU-21のトロフィーを掲げていたかもれない。

ラ・リーガの外国人選手の割合は40%と、プレミアの68%、イタリアの59%、フランスの54%、ドイツの49%に比べて最も低い。イングランドの優勝は39年ぶりで、イタリアは2004年、フランスは1988年を最後に優勝していない。前大会の覇者ドイツだけは2000年代に3度優勝、1度準優勝しており、スペインと肩を並べる好成績を挙げている。

自国人比率の大小とU-21の強弱が正比例しているのは、当然で真っ当なことだと思う。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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