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サッカー フットサル コラム 2023年5月21日

【世界と対峙する初戦。日本のキーマン、松木玖生と佐野航大の不思議な因縁 FIFA U-20 ワールドカップ アルゼンチン2023 日本×セネガルマッチプレビュー】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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また、大一番での勝負強さも兼ね備えている。高校1年時にはプレミアリーグファイナルで決勝ゴールを叩き出し、日本一に大きく貢献。高校年代三冠を達成した3年時の高校選手権決勝でも、きっちり自らゴールネットを揺らしてタイトルを獲得。試合後には子どもたちに向けてのメッセージを求められ、「これからもサッカーを楽しみましょう」と言い切った。

チームのど真ん中を預かるボランチとして、この男が高校時代から磨いてきた、攻守に渡る“ボックス・トゥ・ボックス”の動きは、屈強な選手を揃えているであろうセネガル相手にも十分通用する代物。15日に現地で行われたU-20アルゼンチン代表とのトレーニングマッチは1-2で敗れたものの、唯一の得点は松木が奪っている。

「もちろん世界一を目指していますけど、グループステージ突破と、その前に初戦を勝つことが一番重要だと思うので、まずはこの初戦に重きを置いて、先のことは考えずに、一戦一戦やっていけたらいいかなと思っています」と一戦必勝で構える不動のキャプテンの、“世界初挑戦”から目が離せない。

もう1人のキーマンとして挙げたいのが、中盤での活躍が望まれる佐野航大だ。ファジアーノ岡山へ入団した昨シーズンの当初は、現在鹿島アントラーズでプレーする“佐野海舟の弟”というイメージが先行していたものの、ルーキーイヤーからJ2リーグ戦28試合出場3ゴールと存在感を示し、チームの昇格プレーオフ進出の一翼を担った。

3月のアジアカップでも中盤の欠かせないなピースとして躍動し、グループステージのキルギス戦ではゴールも記録。スタメン出場でも、途中出場でも、アグレッシブさと勘所を抑えたクレバーなポジショニングが、チームの攻撃にさらなる彩りを加えていく。

昨年5月のモーリス・リベロ杯で相対したアルゼンチン戦にも出場していた佐野は、15日の試合後に「アルゼンチンとは1年前に対戦して凄い差を見せつけられて、それがそのまま結果に反映されたのですが、今回は比較してもやられていない、勝ちに持っていけたという印象があります」ときっぱり。チームの仕上がりにも手応えを掴んでいるようだ。

実は松木と佐野は、高校3年時に出場したインターハイの全国決勝で、それぞれ青森山田と米子北高校の10番同士として激突。後半アディショナルタイムまで米子北がリードしていたが、土壇場で追い付いた青森山田が延長で決勝ゴールをもぎ取り、松木は初めて味わう全国大会での日本一に大粒の涙を流した。それから2年。今度は彼らが同じユニフォームに袖を通して、世界を相手に共闘するのは不思議な因縁でもある。

もちろん重要ではあるが、決してすべてが決まるわけではない世界大会の初戦。松木と佐野も含めた若き才能が怖じることなく、そのポテンシャルをアルゼンチンのピッチでのびやかに解き放ってくれることを願っている。

青森山田高校とのインターハイ決勝で自らのゴールを喜ぶ米子北高校・佐野航大(10番)

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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