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サッカー フットサル コラム 2023年3月31日

ナーゲルスマンとコンテ・・・それぞれの別離と感情的なしこり

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ちなみに新監督は、極めて好戦的なトーマス・トゥヘルだ。

さて、突然の解任となったナーゲルスマンとは対照的に、アントニオ・コンテが大方の予想どおりトッテナムを去った。

「ボスがイラつく気持ちも分からなくはないが……」

ピエール・ホイビュアがほんの少しだけ寄り添い、ソン・フンミンは「監督が辞めたのはわたしの責任」と唇をかんだものの、「自分勝手な選手ばかりだ」「ファイティング・スピリットとプロ意識を著しく欠いている」「野心が微塵の欠片も感じられない」と、トッテナムを全否定したコンテを惜しむ声は聞こえてこない。

ユベントスとミラン、インテル、そしてチェルシーに多くのタイトルもたらした名将もノースロンドンでは無冠。任期はわずか1年5か月に終わった。

それにしても、なぜ記者会見でありとあらゆる感情をたたきつけたのだろうか。

「胆のう摘出手術後の体調が思わしくないため、一日でも早く故郷イタリアに戻ろうとしている」

イタリアとイングランドのメディアは同じ見方をしていた。それならばトッテナムのダニエル・レヴィー会長と話し合い、「健康上の理由で退任」という落としどころがあったはずだ。感情的なしこりを残すだけの別離は合点がいかない。

マンネリ化したトレーニング、事前にスケジュールを決めないこと、敗戦や不振の責任転嫁など、コンテは求心力を完全に失っていたという。

ただ、ハリー・ケイン、ウーゴ・ロリス、ロドリゴ・ベンタンクール、そしてホイビュアを除く多くの選手が、自分勝手だったり、ファイティング・スピリットとプロ意識を著しく欠いていたりするのはたしかだ。コンテの指摘は的を射ている。

要するに、このクラブはいつまで経っても “スパーズィー”(イングランド・フットボールの造語で「だらしながない」を指す)なのだ。

2001年1月にトッテナムを買収した後、レヴィーはすでに11人の監督を解雇した。補強の成功例も多くない。コンテの態度が好ましくないとはいえ、会長みずからが野心を明確にする必要性もある。

タイトルより収益の安定、向上に重きを置きすぎた現状では、プレミアリーグを、ヨーロッパを制してやるといった野心が微塵の欠片もないのなら、いますぐクラブを手放した方がいい。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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