盛り上がりに欠くカタール開催ワールドカップ、スペイン開幕前夜

スペイン代表練習風景、モラタのケガの具合が思わしくないという噂？！

スペイン開幕前夜はもう一つ盛り上がっていない。ご存知の通り、ドイツ対日本の後にコスタリカ戦でデビューするのだが……。

理由は2つある。
1つは、カタール開催のネガティブな点がクローズアップされていること。

「W杯に行けなくてホッとしている自分もいる。6500人が亡くなった地でのプレーを楽しめたかどうか」と言ったのはバルセロナのベジェリンだ。数は定かではないが、スタジアム建設現場で多くの外国人労働者が亡くなったとされる。加えて、同性愛が罪とされること、女性に男性同様の自由がないこと。「平等省」という省庁があるほどスペインは性的指向と平等意識に敏感である。さらに、カタール開催が決まった背景にも汚職と買収があったこと。

この国のマスコミには「忖度」という言葉はないので、放映権を持っているメディアですら、ポジティブな面と併せて、ネガティブな面にも積極的に光を当てている。

2つ目は、人々がW杯どころではないこと。
異常に暑く長い夏が終わり、やっと冬らしくなってきた。ウクライナは遠くてそして近い。軍事侵攻のあおりで燃料、穀物が高騰。それがすべての物価に反映しインフレが止まらない。来月には最も出費がかさむクリスマスも待っている。暖房費と食費に事欠き、この冬を支援無くして過ごせない人が相当数いるとされる。

裕福な人は常にいるので、カタールへ応援に行くファンもいるのだろう。だが、夏休みシーズンでないこともあって、一人当たりの国内総生産がスペインの倍の国へ観戦に行ける人は、ごく一握りになると見られている。なお、スペインファンを自称する人たちが街を練り歩く動画が数日前に流されたが、どう見てもスペイン人ではなく逆に失笑を買っている。