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スペイン戦での3連続失点。これは、明らかに試合の入り方の問題だった。
試合前にはスペインは準決勝と同じくスリーバックで来るとみられていたが、実際には4−4−2。相手のシステムが事前の情報と違ったことで相手をつかみ損ねたのかもしれない。
準決勝までの戦いで日本が苦しんできたのはフランスやブラジルの「個の力」だった。組織で日本が上回っていても、相手のパワーやスピードでやられてしまった。だが、決勝で顔を合わせたスペインはパスをつないでビルドアップするタイプのチームだった。日本が前からプレッシャーをかけにいってもすべて外されてパスをつながれてしまった。
つまり、今大会で初めて「自分たちよりも技術力で上回る相手」と対戦したのだ。それで、日本の選手たちがとまどってリズムを狂わせてしまったのかもしれない。
いずれにしても、試合はこうしていきなり3点のビハインドとなってしまったのだ。
ところが、30分前後に日本がシステムを3−5−2から4−4−2に変更したのをきっかけに、試合の流れがすっかり変わった。
それまでは、スペインのボール支配率は60%を超えており、日本陣内でスペインがボールを動かし続ける展開だった。だが、日本がシステム変更した後はボール支配率で日本が上回り、32分に浜野まいか(ゴールデンボール賞=大会MVPに選出)のパスを追って、杉澤海星が相手ペナルティーエリア内でシュートを放ったのをきっかに、次々と日本にチャンスが生まれるようになった。とくに39分に左サイドでボールをつないだ後、山本柚月が大外を狙って入れたクロスにサイドバックの田畑晴菜が飛び込んだ場面は惜しかった。
そして、後半の立ち上がりに山本がファウルを受けて得たFKから、日本は1点を返す事に成功する。一度中盤に戻してからゴール前に入れたボールがつながって、最後は交代で後半から加わったばかりの天野紗が決めた。早い時間に、しかも交代で入った選手が決めたことによって日本チームは勢いづき、後半は45分間にわたって日本が攻め込む展開となった。
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