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バレンシア戦の久保建英
先週末のバレンシア戦マジョルカは敗れたが、相手選手を含めて久保建英がMVPだったことを疑う者はいないだろう。
その傑出ぶりは数字にも表れている(以下、数字は断りがない限りすべてデータ分析サイト『Who Scored?com』による)。
まずはシュート4本:前節までの本人の1試合当たりの平均は1.9本で、悪い数字では決してなくリーガでも24位に付けていた。ちなみに1位はベンゼマの3.8で、2位がラウール・デ・トマスの3.6、3位はダンジュマの3.1で、平均3本以上なのはこの3人しかおらず、仮にバレンシア戦のペースを維持できれば、スペインでもトップクラス入りは保証されている。
が、数字を追っていくと、久保が決定的に劣っている面も見えてくる。それは枠内シュート率の極端な低さだ。ベンゼマが18ゴール、ラウール・デ・トマスが13ゴール、ダンジュマが8ゴールに対して、久保は1ゴール。出場試合数の差ももちろん影響しているが、それ以上に、ベンゼマ58%、ラウール・デ・トマス53%、ダンジュマが57%を枠内に飛ばしているのに対して、久保のそれは24%に過ぎないことが大きい。日本代表やJリーグ時代にどんな数字を残したかはわからないが、今の久保は唯一この点がもの足りない。
次に被ファウル5:被ファウルはドリブラーの勲章である。ドリブルの成功率と被ファウルは一般にリンクする。ドリブルを仕掛けて抜き掛けたところで、ファウル覚悟でDFが足を入れてくるからだ。
前節までの本人の1試合平均1.8も悪い数字ではなく、リーガで26位に付けている。が、5というのは、ファウルでないと止められない今の好調ぶりを雄弁に物語っている。
これも超一流どころと比較してみよう。1位がジョアン・フェリックスの2.6、2位がフェキルの2.5、3位が同数でムニアインとビニシウスの2.4。4人に共通しているのが、緩急のリズムチェンジに切れ味があり、ゆっくり進んできていきなり加速するため、DF側からすればボールを奪いに行ったはずが遅れて、足を引っ掛けてしまう。
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