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サッカー フットサル コラム 2021年11月1日

柴崎岳対岡崎慎司!今スペインで唯一の日本人対決が実現し得る一戦

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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柴崎岳

柴崎岳

柴崎岳対岡崎慎司!今スペインで唯一の日本人対決が実現し得る一戦

2日の夜(日本時間3日早朝5時15分キックオフ)にレガネス対カルタヘナがある。今スペインで唯一、柴崎岳対岡崎慎司の「日本人対決」が実現し得るカードなので、今回はこの試合について書こう。

柴崎はレギュラーで岡崎は準レギュラー(攻撃的交代の一番手)なので、グラウンドの上で両者が顔を合わせる可能性はかなり高い。柴崎はボランチで中盤の底を任され、岡崎は3トップの右または左で下がってボールを受けることも多いので、両者が合いまみえることもあるだろう。岡崎のファウルに柴崎が倒れる、あるいはその逆なんてシーンもあるに違いない。

チームの状況では両者ともに下り坂。レガネスは一昨季まで1部にいて昇格候補ながら20位(勝ち点10)で降格圏に沈んでいる。ここ6試合未勝利で、今週末ついにアシエル・ガリターノ監督が解任されメフディ・ナフティが新監督に就任した。大改革が予想されているがどうなるだろうか?

前監督の下では柴崎は[3−4−3]、[4−4−2]のダブルボランチの左で、ボール出し、左右サイドへの散らしと前線へのスルーパスの供給、2列目からの飛び出しを任されていた。

レガネスの試合を見ていると、彼はとにかくよく顔を出しボールに触るが、もう一つ、テネリフェやヘタフェ時代にセカンドトップで見せていたようなフィニッシュへの貢献が小さい。ボランチの相棒は通常、ルベン・パルド。似たタイプのテクニシャンだが、似ているゆえに役割が重なる。この2人に、さらに攻撃的MFとしてフェデ・ビコが起用されるので三重に重なることになり、その過剰の分、単独打開できるドリブラータイプが足りない。

その結果、出来上がったのは、ボールはやたら持つもののフィニッシュできず、手詰まりでボールを回しているうちに奪われてカウンターを喰うチーム。13試合で12得点18失点では低迷も仕方がない。

カルタヘナ戦ではパルドが出場停止なので柴崎のボランチの相棒は、より守備的なペレアになるのではないか。

今週末の試合でペレアに背中をカバーされ守備の負担を減らされた柴崎はやりやすそうだった。実際、首位アルメリアのホームに乗り込んだにもかかわらず内容ではレガネスが押していて、柴崎も先発フル出場。パルドが蹴っていたFKも任されていた。

新監督の采配はわからないが、ペレアとのダブルボランチなら躍動する柴崎が見られるかもしれない。

カルタヘナの方は3連勝後に2連敗。無敗だったホームでもついに土が付いた。

3連勝中の3バックと4バックの可変システム(詳しくはバックナンバーを参照)が研究され、特にダウダのスピードに乗った飛び出しが警戒されて、前線にボールが入らなくなった。カリオン監督はダウダ、カストロ、岡崎またはダウダ、カストロ、アレックスの3トップ、ダウダ、カストロの2トップを試めしたがいずれもボールが収まらず、攻撃のスイッチが入らない。守備は相変わらず脆く、簡単に失点してしまう。3バックはスピード不足で背中を取られやすく、センタリングを弾き返すパワー不足でセカンドボールを拾われて波状攻撃を受ける。

出場機会は得ているものの岡崎ももう一つキレていない。下がりながら受けて相手マーカーをかわし反転して展開、という得意のプレーができず、ボールを奪われるか、「抜けた!」と思ったらファウル、オフサイドというシーンが目につく。今こそ、彼のライン間でボールを収める能力が求められているのだが。

日本人対決ということだけで見れば、柴崎が岡崎よりも目立つ、という試合になるかもしれない。ただ、チームとしてどちらが押し込むかはわからず、それによって個のパフォーマンスも変わる。いずれにせよ、90分間、日本人が出続ける試合にはなると思う。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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