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サッカー フットサル コラム 2021年5月21日

クリバリはステップアップのタイミングを逸したのか

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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カリドゥ・クリバリ

カリドゥ・クリバリ

カリドゥ・クリバリ(ナポリ)の名前が消えた。

移籍市場がオープンするたびに多くのビッグクラブとリンクされてきたにもかかわらず、ここ数年は存在感が薄い。

ハリー・マクガイアの相棒としてマンチェスター・ユナイテッドが狙っているのは、レアル・マドリーのラファエル・ヴァランヌだ。リヴァプールはライプツィヒに所属するイブライマ・コナテとの交渉が順調に進み、チェルシーもバイエルン・ミュンヘンのニクラス・ジューレ、アトレティコ・マドリーのホセ・ヒメネスに秋波を送る。

また、R・マドリーやバイエルン、パリ・サン・ジェルマンの周囲を探っても、クリバリの名前は聞こえてこない。もはや “旬” ではないということか。

クリバリは依然として世界有数のセンターバックだ。しかし、今年30歳になる。ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は業界一がめつい。ましてコロナ禍。30代のCBに、推定市場価格4500万ユーロ(約58億5000万円)は高すぎる。ラウレンティスが値引きに応じるはずがない。ビッグクラブが手を引く。クリバリはステップアップのタイミングを逸した。負の連鎖だ。

つい先日、クリバリに興味津々と噂されたエヴァートンは、昨年に1億4000万ポンド(約210億円)もの赤字を計上しているため、60億円近い巨額を準備できるとは思えない。

そう、人生はタイミングが左右する。ロナウジーニョが交渉成立間近の段階で翻意したため、ユナイテッドはクリスチャーノ・ロナウドを獲得した。九分九厘、ラツィオ移籍が決定していたダビド・シルバも、土壇場でレアル・ソシエダを選んでいる。

2~3年前、連日のように届くオファーをラウレンティスが吟味し、多くのエージェントが嫌う “上からが過ぎる目線” を慎んでさえいれば、クリバリの人生は変わっていただろう。

リヴァプールに加わり、フィルジル・ファン・ダイクとともに世界最高のCBデュオと謡われていたかもしれない。マンチェスター・シティに移籍していた場合は、ジョゼップ・グアルディオラ監督のもとでレベルアップしていたに違いない。

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